1 月号ピックアップ記事 /私の座右銘
夢中力 林野 宏(クレディセゾン会長CEO)

各界を代表する企業、機関、団体を牽引してきたリーダーに、人生観・仕事観を形成した体験や、貫いてきた信条を披歴いただく連載「私の座右銘」。今回ご登場いただいたのは、クレジットカード業界では後発ながら、数多の革新を起こしトップクラスの会員数を誇るクレディセゾンの林野宏会長です。
倒産しかかった同社に企画部長として出向し、目覚ましい発展をもたらしてきた林野会長。八十路に入ったいまも第一線で疾走し、「資本主義の本質は〝創造的破壊〟である」「好奇心がクリエイティビティを生み、イノベーションに繋がる」「人間は遊ぶ存在である」と語られています。その独自の経営哲学、体験談に興味は尽きません。

人生における成功とは、結局「自分が夢中になれることを仕事にする」か「与えられた仕事に夢中になる」か、ここに尽きるのではないでしょうか
林野 宏
クレディセゾン会長CEO
人生における成功とは、結局「自分が夢中になれることを仕事にする」か「与えられた仕事に夢中になる」か、ここに尽きるのではないでしょうか。
前者、例えば芸術やスポーツの世界では才能の有無が問われ、仮に土俵に立てても長く活躍できる保証はありません。一方、サラリーマンでも後者を選び成功するチャンスは平等に与えられています。
私は後者でした。大学時代、若くとも実力で上に行ける証券業界を志望していた私は、証券恐慌のためにそれを断念し、西武百貨店に入社しました。昭和40年のことです。
当時の西武百貨店と言えば、社長の堤清二さんが海外の有名ブランドを次々と呼び込み、並み居る老舗百貨店に伍して急成長していた時代です。この人の下でなら自分の感性を生かして働ける、そう確信したのです。
初め人事部に配属されるも、これでは商いが学べないと自ら部長に異動願いを出し、28歳で企画室、役員会事務局に移りました。役目は、堤さんと取締役が決めた議案を企画書に落とし込んで具現化することでした。
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プロフィール
林野 宏
りんの・ひろし――昭和17年京都府生まれ。埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店入社。57年西武クレジット(現・クレディセゾン)に、クレジット本部営業企画部長として転籍。平成12年同社社長に就任。31年より現職。近刊に『クレディセゾン会長CEO・林野宏の「何事も生き筋!」』(村田博文・編著/財界研究所)がある。
編集後記
これまで何度か弊誌『致知』に登場くださり、著書も出版されている林野会長。久々にお会いしての第一印象は、とても80代とは思えぬ語りのキレとエネルギーでした。亡き堤清二さん(セゾングループ創業者)の薫陶を受け、業界に革新的な取り組みを繰り出して注目を浴びてきた会長はいま、堤さんの夢でもあった〝総合生活サービスグループ〟への転換、いわば再びの創業を目指しているとのこと。尽きない夢とアイデアの源泉は何か――。そのエッセンスを掴み取っていただければ幸いです。

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