能楽の可能性をどこまでも追求したい 辰巳満次郎(シテ方宝生流能楽師)

世阿弥から600年、さらに源流を遡れば千数百年もの歴史を刻んできた能楽。シテ方宝生流能楽師として、能楽はもとより、日本の芸術文化の可能性を追求し続ける辰巳満次郎氏に、その挑戦と創造の歩み、能楽に懸ける思いをお話しいただいた。

能には定年がなく、死ぬまで挑戦の世界といえます。挑戦する心を失ったら生きていてもしょうがないと僕は思っています

辰巳満次郎
シテ方宝生流能楽師

1,400年にも及ぶ能の歴史の中で、無数の先人たちが挑戦と創造を繰り返し、高度な技術、高い精神性を築いてくれました。かけがえのない宝を残してくださったことに心から感謝しつつ、能を通じてどこまで社会に貢献していけるか。そのことに挑戦と創造を続けていくことが、能楽という一道を歩む者の務めだと僕は考えています。

プロフィール

辰巳満次郎

たつみ・まんじろう―昭和34年兵庫県生まれ。父・辰巳孝に師事し、4歳で初舞台。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。宝生流十八世宗家宝生英雄の内弟子となり、61年独立。平成13年重要無形文化財総合認定、17年度大阪文化祭賞奨励賞受賞。文化庁文化交流使。多数の海外公演や、新作能「マクベス」「六条」等の主演、演出も手掛ける。


編集後記

取材は東京・水道橋にある宝生能楽堂にて行われました。
辰巳さんは能楽の可能性、これからの挑戦について約1時間、熱く語ってくださいましたが、特に「能には定年がなく、死ぬまで挑戦」という言葉にとても感動しました。これは能だけでなく、あらゆる分野に通じることだと感じました。何歳になっても自分がこれだと思うこと、楽しいと思えることに全力投球し、半歩でも一歩でも成長していく。そうした生き方が人生100年時代といわれるいま、ますます求めてくるはずです。

2022年4月1日 発行/ 5 月号

特集 挑戦と創造

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