人望力は努力から生まれる——強い人材と組織をつくるリーダーの心得 真殿知彦(海上自衛隊幹部学校長) 瀧澤 中(作家)

幹部自衛官を育成する海上自衛隊幹部候補生学校、指揮官・幕僚としての専門知識、幅広い教養を養うと共に、部隊運用等の研究も行う海上自衛隊幹部学校。この二つの学校長を歴任し、日本の平和を守る人材の教育に情熱を傾けてきた海将の真殿知彦氏。古今東西の様々な歴史や人物研究を基に、リーダーシップや人材育成、組織づくりに関する数多くの著書を世に送り出してきた作家の瀧澤中氏。その二人が自らの体験、歴史事例を交えて語り合う、強い人材・組織をつくる要諦、いま求められるリーダーの条件――。

リーダーには部下や学生への
"愛情"が一番大事です

真殿知彦
海上自衛隊幹部学校長

 とにかく、リーダーには部下や学生への"愛情"が一番大事だと思っています。それも見返りを求めるような愛情ではだめだと思うんです。何も返してもらわなくていい、ひたすら部下や学生のことを思って一方的に愛情を与え続けられるかどうか。
 これは、私自身が指導者として心掛けていることです。

純粋な思いで努力し続けるひたむきさが人望力となって周囲にも伝わります

瀧澤 中
作家

 人間は死ぬまで未完成。完成しないものだと思います。だからこそ、常に「自分はまだまだだ、立派になろう」と思って努力し続ける、そこに人間としての魅力が生まれる。自分は完成したと思った瞬間に、その人はダメになってしまうと思います

プロフィール

瀧澤 中

たきざわ・あたる――昭和40年東京都生まれ。作家・政治史研究家。日本経団連21世紀政策研究所「日本政治タスクフォース」委員などを歴任。自衛隊や経済・農業団体、企業などでの研修、講演会にも積極的に取り組む。著書に『「戦国大名」失敗の研究』『「幕末大名」失敗の研究』(共にPHP文庫)『秋山兄弟-好古と真之』(朝日新聞出版)『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』『人望力』(共に致知出版社)がある。

真殿知彦

まどの・ともひこ――昭和41年千葉県生まれ。平成元年防衛大学校を卒業後、海上自衛隊入隊。第2飛行隊長、第1航空隊司令、海上幕僚監部防衛課長、第2航空群司令などを経て、28年海上自衛隊幹部候補生学校長。29年統合幕僚監部防衛計画部副部長、30年横須賀地方総監部幕僚長。令和2年より海上自衛隊幹部学校長。


編集後記

国を護る海上自衛隊の幹部の育成に情熱を傾けてきた海将の真殿知彦さんと、古今東西の歴史や人物の研究に取り組んできた作家の瀧澤中さんのご対談から浮かび上がったのは、人間は知識や技術だけでは動かない、という事実です。真に強い人材、組織を実現するリーダーには、必ず「この人にならついていきたい」と思わせる人間性、〝人望力〟がある――。歴史の実例や実体験を交えたお二人の対談から、リーダーのあるべき姿、人望力のあるリーダーになる条件を学びます。

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