11 月号ピックアップ記事 /対談
人望力は努力から生まれる——強い人材と組織をつくるリーダーの心得 真殿知彦(海上自衛隊幹部学校長) 瀧澤 中(作家)
幹部自衛官を育成する海上自衛隊幹部候補生学校、指揮官・幕僚としての専門知識、幅広い教養を養うと共に、部隊運用等の研究も行う海上自衛隊幹部学校。この二つの学校長を歴任し、日本の平和を守る人材の教育に情熱を傾けてきた海将の真殿知彦氏。古今東西の様々な歴史や人物研究を基に、リーダーシップや人材育成、組織づくりに関する数多くの著書を世に送り出してきた作家の瀧澤中氏。その二人が自らの体験、歴史事例を交えて語り合う、強い人材・組織をつくる要諦、いま求められるリーダーの条件――。
リーダーには部下や学生への
"愛情"が一番大事です
真殿知彦
海上自衛隊幹部学校長
とにかく、リーダーには部下や学生への"愛情"が一番大事だと思っています。それも見返りを求めるような愛情ではだめだと思うんです。何も返してもらわなくていい、ひたすら部下や学生のことを思って一方的に愛情を与え続けられるかどうか。
これは、私自身が指導者として心掛けていることです。
純粋な思いで努力し続けるひたむきさが人望力となって周囲にも伝わります
瀧澤 中
作家
人間は死ぬまで未完成。完成しないものだと思います。だからこそ、常に「自分はまだまだだ、立派になろう」と思って努力し続ける、そこに人間としての魅力が生まれる。自分は完成したと思った瞬間に、その人はダメになってしまうと思います
プロフィール
瀧澤 中
たきざわ・あたる――昭和40年東京都生まれ。作家・政治史研究家。日本経団連21世紀政策研究所「日本政治タスクフォース」委員などを歴任。自衛隊や経済・農業団体、企業などでの研修、講演会にも積極的に取り組む。著書に『「戦国大名」失敗の研究』『「幕末大名」失敗の研究』(共にPHP文庫)『秋山兄弟-好古と真之』(朝日新聞出版)『ビジネスマンのための歴史失敗学講義』『人望力』(共に致知出版社)がある。
真殿知彦
まどの・ともひこ――昭和41年千葉県生まれ。平成元年防衛大学校を卒業後、海上自衛隊入隊。第2飛行隊長、第1航空隊司令、海上幕僚監部防衛課長、第2航空群司令などを経て、28年海上自衛隊幹部候補生学校長。29年統合幕僚監部防衛計画部副部長、30年横須賀地方総監部幕僚長。令和2年より海上自衛隊幹部学校長。
編集後記
国を護る海上自衛隊の幹部の育成に情熱を傾けてきた海将の真殿知彦さんと、古今東西の歴史や人物の研究に取り組んできた作家の瀧澤中さんのご対談から浮かび上がったのは、人間は知識や技術だけでは動かない、という事実です。真に強い人材、組織を実現するリーダーには、必ず「この人にならついていきたい」と思わせる人間性、〝人望力〟がある――。歴史の実例や実体験を交えたお二人の対談から、リーダーのあるべき姿、人望力のあるリーダーになる条件を学びます。
特集
ピックアップ記事
-
対談
世界の頂点に立つ条件
村田諒太(WBA世界ミドル級スーパー王者)
金沢景敏(AthReebo社長)
-
対談
人望力は努力から生まれる——強い人材と組織をつくるリーダーの心得
真殿知彦(海上自衛隊幹部学校長)
瀧澤 中(作家)
-
インタビュー
人生という河を最後まで泳ぎ抜く——がんになった緩和ケア医が語る人間の尊厳
関本 剛(関本クリニック院長)
-
インタビュー
一流を超一流にする努力論——明大サッカー部が結果を出し続ける理由
栗田大輔(明治大学サッカー部監督)
-
インタビュー
長唄に生かされ107歳 明日死ぬまでも長唄の心を伝え続けたい
杵屋響泉(長唄三味線方演奏家)
-
インタビュー
シェイクスピアと共に歩み来て
松岡和子(翻訳家)
-
インタビュー
諦めなければ努力は必ず道をひらく
菅沼佳一郎(三和デンタル社長)
-
インタビュー
努力の人・和井内貞行の生涯に学ぶ
田中忠美(鹿角市先人顕彰館 館長)
-
対談
かくて一流店を築いてきた
河田勝彦(オーボンヴュータン オーナーシェフ)
斉須政雄(コート・ドール オーナーシェフ)
好評連載
ピックアップ連載
バックナンバーについて
バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード