一流を超一流にする努力論——明大サッカー部が結果を出し続ける理由 栗田大輔(明治大学サッカー部監督)

大学サッカー界において、2019年に史上初となる全5冠制覇の偉業を成し遂げた明治大学サッカー部。2015年に監督に就任した栗田大輔氏は、長年会社員として働く傍ら小中学生向けのクラブチームを設立・運営するなど、異色の経歴の持ち主である。そんな栗田氏に、明大サッカー部の強さの秘訣や日々の努力について、ご自身の歩みを交えて伺った。

選手たちの本気度、人間性こそが最後の最後に一流と超一流を分ける差になる

栗田大輔
明治大学サッカー部監督

 よく、「二流を一流にするのは簡単だけれど、一流を超一流にするのは大変」と言いますが、その通りだと思います。明治は私が関わる前から強豪チームだったため、入学時点で、皆が一定レベルを兼ね備えています。また、既に自我を確立しているため、スキル面にしろ精神面にしろ、個々人が抱える課題に自ら気づいてもらうように導くことは至難の業でした。
 指導者は教えることはできても、最後に行動するのは選手自身です。指摘を素直に受け入れ、改善していく心や聞く姿勢がない選手は絶対に伸びません。そのためにも、監督は本質を見抜いた指導をすることが重要です。褒め時・叱り時を逃さず、気づいたことはその場で伝え、「勝った時は選手のおかげ、負けた時は監督のせい」と心得て選手と向き合ってきました。その中で、選手たちの本気度、人間性こそが最後の最後に一流と超一流を分ける差になるのだと学んでいったのです。

プロフィール

栗田大輔

くりた・だいすけ――昭和45年静岡県生まれ。幼少期からサッカーを始め、高校サッカー界の名門・清水東高校から明治大学へ進学。卒業後は清水建設に入社。会社では現在、ソリューション営業部・スポーツビジネス担当の部長を務める。平成17年に横浜市で小中学生を対象にしたクラブチーム「FCパルピターレ」を設立。25年に明治大学サッカー部のコーチ、26年に助監督、27年に監督に就任。28年には創部95年で総理大臣杯初優勝。31年度は各大会で5冠を達成。監督就任から6年で10個のタイトルを獲得、プロサッカー選手を50名以上輩出している。著書に『明治発、世界へ!』(竹書房)がある。


編集後記

「知り合いにすごい人がいるので、ぜひ取材してほしい」
『致知』の読者の方からそうご紹介いただいたことがこの記事の始まりでした。
 栗田さんは清水建設の会社員、クラブチーム代表、そして明治大学サッカー部監督と、一人で3役をこなされる非常に多忙な方です。紙幅の関係上、『致知』には載せきれませんでしたが、清水建設で長年営業マンとして荒波にもまれた経験、そして2年半の間、副社長の秘書を経験したことが後に大きく役立ったとお話されていました。特に、清水建設という大企業の経営を担う副社長のお姿からは、リーダーとしての在り方、また副社長としてのあり方を学ばれたそうです。
 この社会人経験が、既に一流校だった明治大学サッカー部を超一流に押し上げた原動力になったのだと、栗田さんの言葉一つひとつから感じた取材でした。

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