9歳で逝った息子へ 絵本に込めた母の祈り 美谷島邦子(「8・12連絡会」事務局長)

昭和60年8月12日、520人の命を一瞬にして奪った日航ジャンボ機墜落事故が発生した。世界の航空史の中で最多の犠牲者を出したこの事故で、美谷島邦子さんは次男の健さんを失った。小学校3年生、初めての一人旅。送り出した美谷島さんの後悔は尽きなかった。以来36年、多くの遺族が集まる「8・12連絡会」の事務局長として会報や文集をつくり続け、講演活動で遺族の声を届け、紙芝居や絵本で命の大切さを訴えてきた美谷島さんが見つけたものとは――。

私が最近よく言うのは「悲しみを語ることは愛を届けること」ということです。悲しみを語ることは愛を受け取ることでもあり、届けることでもあり、そこに人との繋がりが生まれてくるんですね

美谷島邦子
「8・12連絡会」事務局長

命の大事さということを話すと、子供たちは本当に分かってくれるんだなと感じました。感想文もたくさんもらいます。嬉しいのはもちろんですが、伝えることの大切さを改めて感じます。生の声で発せられた言葉の重さ、経験した人でなければ絞り出せない言葉があるんですね。それを子供は敏感に感じ取ってくれます。
【写真:事故から3日目、墜落現場に登った美谷島さんご夫妻(写真=美谷島さん提供)】

プロフィール

美谷島邦子

みやじま・くにこ――昭和22年生まれ。60年8月12日に起きた日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故で次男・健さんを亡くす。遺族でつくる「8・12連絡会」事務局長。精神保健福祉士。精神障がい者支援施設を運営、理事長を務める。国土交通省・公共交通事故被害者等支援懇談会委員。著書に『御巣鷹山と生きる』(新潮社)『けんちゃんのもみの木』(BL出版)など。


編集後記

昭和60年8月に起きた日航機墜落事故で9歳の次男・健さんを亡くした美谷島邦子さんに、事故当時のことや、悲しみを受け入れるまでの歩みについてお話しいただきました。悲しみを味わい、それを受け入れた人でなくてはできない話。美谷島さんのインタビューはまさにそのような内容でした。原稿がまとまり美谷島さんにご覧いただいたのが、奇しくも健さんの命日の8月12日。これも偶然だったのでしょうか。

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