8 月号ピックアップ記事 /インタビュー
運命をひらく人生の〝合い言葉〟 上甲 晃(志ネットワーク「青年塾」代表)
長年、松下幸之助の薫陶を受け、志の高い日本人の育成に力を注ぐ上甲晃氏。氏が代表を務める「青年塾」では、実学を通じて人間としての魅力を磨いているが、青年塾生の間には人生をひらくための〝合い言葉〟があるという。その合い言葉をご紹介いただくと共に、合い言葉を考案し、浸透させるまでに上甲氏が積み重ねてきた日々を伺った。
「一つを励めば、すべてが変わる」
他ならぬ、これは私の実感です
上甲 晃
志ネットワーク「青年塾」代表
「人間の勉強をしいや」
これが新卒で松下電器に入り、松下幸之助から最初に教わったことでした。
京都大学教育学部を卒業し、曲がりなりにも教育学の専門家であると自負していた私にとって、松下電器での新入社員研修はカルチャーショックの連続でした。初めの半年間は町の電気店で店員として働くも、自分が一番誇りに思っていた学歴ではテレビ一台売れないのだと痛感させられたのです。教育に対する考え方が根底から覆された瞬間でした。そして社内で行われた研修で松下幸之助はこう言いました。
「知識を頭に詰め込むことだけが勉強ではないんやで。知識を否定するわけやないけど、その知識は全部道具や。使うあんた方自身が人間として立派になってこんと、どんなにいい道具を持っておっても絶対に実社会では通用しない。だから、人間の勉強をしいや」
目から鱗が落ちたようでした。大学で四年間勉強してきても、これほど感動し、肚にストーンと落ちた教えはありません。学問と実社会で必要とされる学びは全く違う―。この気づきは、私が今日まで一貫して持ち続けている基本姿勢です。
他にもこんな話が続きます
・松下幸之助から学んだ〝生きた勉強〟
・心を育み肚を鍛える
・一つを励めばすべてが変わる
・運を高めるシンプルな方法
・青年塾に伝わる人生の〝合い言葉〟
・何事も一万回続けると「初段」になれる
・主人公意識を持って自分の人生を生きる
プロフィール
上甲 晃
じょうこう・あきら―昭和16年大阪市生まれ。40年京都大学卒業と同時に、松下電器産業(現・パナソニック)入社。広報、電子レンジ販売などを担当し、56年松下政経塾に出向。理事・塾頭、常務理事・副塾長を歴任。平成8年松下電器産業を退職、志ネットワーク社を設立。翌年、青年塾を創設。著書に『志のみ持参』『松下幸之助に学んだ人生で大事なこと』など多数。8月に最新刊『人生の合い言葉』を刊行予定(いずれも致知出版社)。
編集後記
長年、松下幸之助氏の薫陶を受けた志ネットワーク「青年塾」代表の上甲晃さん。平易なことを継続する中で開ける道について、体験談を交え語っていただきました。そこには人生のヒントが詰まっています。
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