8 月号ピックアップ記事 /対談
勝利への執念の積み重ねが日本一への道を拓いた 門馬敬治(東海大学付属相模高等学校 硬式野球部監督) 藤元聡一(東福岡高等学校 バレーボール部監督)
春の選抜で優勝し、4度目の全国制覇を果たした東海大学相模高校硬式野球部。春高バレーをはじめ6度の全国優勝を経験した東福岡高校バレーボール部。日本一の常連校は日々、どのような意識で、どのような練習を重ねているのだろうか。それぞれのチームを指揮する門馬敬治、藤元聡一両監督の対談は、トップを極めた人でなくては醸し出せない魂の呼応と熱い気迫を感じさせるものだった。
僕は人間は本気になった瞬間、どんな局面でも乗り越えられる、その時、人間同士の本当の関わり合いができると信じています
門馬敬治
東海大学付属相模高等学校硬式野球部監督
最後は当たり前のことを、どこまで本気でやり切るかということに尽きるでしょうね。その意味で僕は部員に「うちには練習はない。毎日が試合だ」と言っています。
毎日が特別な日だと思えば、特別な自分で対応しなくてはいけない。そして毎日が真剣勝負だと思えば、5万5千人が集まる甲子園に出場した時も、いつもと変わらぬよう試合をすることができる。甲子園は特別な場という思いが出てきたら勝負は負けだと僕は思っているんです。
願望が強い選手は伸びるのも早いですし、素直ですね。願望が強いと生活習慣が変わるというのが僕の持論です
藤元聡一
東福岡高等学校バレーボール部監督
例えば、「眠いから寝る」のではなく「○時になったから寝る」、「腹が減ったから食べる」のではなく「身体にとってベストなタイミングだから、○時に食べる」、「目が覚めたから起きる」のではなく「前日の計算通りに○時になったから起きる」というように基本的生活習慣が日本一を意識した妥協のない厳しい姿勢に変わっていくんです。
それができるようになると八割方伸びる準備はできていると僕は見ています。
プロフィール
門馬敬治
もんま・けいじーー昭和44年神奈川県生まれ。東海大学野球部で原貢監督に師事し、卒業後の平成11年、東海大学付属相模高等学校硬式野球部監督に就任。12年就任2年目で選抜高等学校野球大会(春の選抜)優勝。23年春の選抜で2度目の優勝。27年全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)でチームを45年ぶり優勝へと導いた。令和3年春の選抜で3度目の優勝。家族共々チームを支える。
藤元聡一
ふじもと・そういちーー昭和50年山口県生まれ。法政大学を卒業後、平成14年東福岡高等学校バレーボール部コーチに就任。18年監督となり、20年インターハイで初の全国大会出場。翌21年も2年連続の3位入賞を果たし、春高バレー出場2度目でチームを準優勝に導く。27年第67回春高バレーで初優勝と同時にインターハイ、国体の全国3冠を達成する。翌28年第68回春高バレー、国体で共に2連覇し2冠。令和3年1月の春高バレーで3度目の優勝。
編集後記
高校スポーツで共に日本一を射止めた東海大相模高校野球部と東福岡高校バレーボール部。それぞれの監督を務める門馬敬治さん、藤元聡一さんのお話は、頂点を極めた人ならではの説得力に満ちています。勝利に向けてどこまで純粋で強い願望を燃やし続けられるか。スポーツに留まらず物事の成功の秘訣がそこにあると感じます。
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