不可能を可能にした青いバラプロジェクト 田中良和(サントリーグローバルイノベーションセンター 上席研究員)

自然界には存在せず、長年不可能の代名詞といわれてきた「青いバラ」。開発に成功し、商品化に至るまで実に19年の歳月を要した長い挑戦だった。その道程には、サントリーのDNAとも言える「やってみなはれ精神」があったという。研究開発のプロジェクトリーダーを務めた田中良和氏が語る開発の道のりから、運命をひらく秘訣に迫る。

「世の中には簡単にやれることは少ないけれども、やってみたらできないこともまた少ない」

田中良和
サントリーグローバルイノベーションセンター 上席研究員

(――田中さんが開発された青いバラは、長年「不可能」といわれてきたものだったそうですね。)

田中 
 ええ。英語でブルーローズというと、「不可能」「存在しないもの」などを表し、そこから転じて「あり得ないもの」「できない相談」を意味する語句でした。
 アジサイや朝顔など、自然界に青い花はいくつもありますが、バラには長い間、青い色は存在しなかったのです。「切り花の女王」と呼ばれるくらいバラは重要な花で、商業的にも高く評価されています。そのため、不可能の代名詞といわれながらも人類の憧れといいますか、世界中の育種家や研究者が鎬を削って開発に挑んでいたんです。
 ご存じの方も多いでしょうが、サントリーといえば「やってみなはれ精神」です。「やってみなはれ。やらなわからしまへんで」が創業者・鳥井信治郎の口癖で、未知の分野へ果敢に挑戦することがサントリーグループのDNAとなっています。この精神に基づき、青いバラは開発されました……

*この後は下記のお話しが掲載されています*

■青いバラ開発のいきさつ
■一筋縄ではいかなかった研究開発
■苦節19年 商品化に辿り着けた勝因
■チームの運命を切りひらくもの

プロフィール

田中良和

たなか・よしかず――昭和34年兵庫県生まれ。58年大阪大学大学院理学研究科修士課程修了、サントリー入社。63年同大学にて理学博士号を取得。平成2年から青バラの開発プロジェクトに参画し、4年間、オーストラリアに駐在。帰国後、植物科学研究所長などを経て、25年より現職。


編集後記

19年かけて完成させた青いバラ。プロジェクトリーダーを務めた田中良和さんに成功の軌跡を振り返っていただきました。

2020年12月1日 発行/ 1 月号

特集 運命をひらく

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