日本よ自立国家たれ 活路はそこにしかない 櫻井よしこ(ジャーナリスト) 中西輝政(京都大学名誉教授)

アメリカ大統領選挙では次期大統領に民主党のジョー・バイデン氏が勝利を確実にしたとされる。覇権国家・中国に対して厳しい睨みを利かせていたトランプ政権から融和へと大きく転じるアメリカ。世界が激変する中で、日本はどこに活路を見出し、運命をひらいていけばよいのだろうか。国際情勢に造詣が深いジャーナリスト・櫻井よしこ氏と京都大学名誉教授・中西輝政氏に語り合っていただいた。

アメリカが日本と中国を天秤に掛けて中国を重視しないようにするにはどうしたらよいのか。いまのお話に付け加えれば、やはり日本でなくてはどうしても駄目だという欠くべからざるものを持つことが大切でしょうね

櫻井よしこ
ジャーナリスト

 1つには他国に誇れる素晴らしい技術力です。2つ目には「己の存在を他者のために生かす」という伝統的な武士道精神を挙げたいと思います。国は小さいとしても、欠くべからざる素晴らしい宝を持っている国であることを国内外に広く知らしめていく努力もまた大事だと思います。

日本が国家としての運命をひらく最後のチャンスとして、自前の外交観や世界を見る眼、そして自立できるだけの自力をつけるのが、まさにいまであると思っています

中西輝政
京都大学名誉教授

 日本にいま求められるのは、立ち上がるための自前の国力の再建です。例えば、菅首相の掲げているデジタル化をはじめとする民力、社会力の涵養。自助、共助、公助のうちの共助ですね。そしてコロナ禍で劣化が露呈した政府・自治体の行政遂行力の再建。こういうものがいまの日本には先進国として大きく劣化していることを認めざるを得ません。

プロフィール

櫻井よしこ

さくらい・よしこ――ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリスト。平成19年「国家基本問題研究所」を設立し、理事長に就任。23年日本再生に向けた精力的な言論活動が評価され、第26回正論大賞受賞。24年インターネット配信の「言論テレビ」創設、若い世代への情報発信に取り組む。著書多数。最新刊に『言語道断』(新潮社)がある。

中西輝政

なかにし・てるまさ――昭和22年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、米国スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授。平成24年退官。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。著書に『国民の覚悟』『賢国への道』(共に致知出版社)『大英帝国衰亡史』(PHP文庫)『アメリカ外交の魂』(文春学藝ライブラリー)『帝国としての中国』(東洋経済新報社)、近編著に『アジアをめぐる大国興亡史』(PHP研究所)他多数。


編集後記

新型コロナウイルスの世界的感染拡大、日本の政権交代、アメリカ大統領選挙……。2020年はまさに大激動、大激変の年でした。ジャーナリスト・櫻井よしこさん、京都大学名誉教授・中西輝政さんのお話からは、今後、日本を取り巻く状況が一段と厳しさを増し、自立国家への道が急がれていることが伝わってきます。

2020年12月1日 発行/ 1 月号

特集 運命をひらく

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