この国難にどう向き合うか 櫻井よしこ(ジャーナリスト) 番匠幸一郎(元陸上自衛隊西部方面総監)

「国難ついに来たれり」。ジャーナリストの櫻井よしこさんと、陸上自衛隊元西部方面総監・番匠幸一郎氏は共に、対談中、この言葉を強調した。日本を取り巻く情勢がかつてない緊張状態にあるいま、この国難にどう対峙すべきなのだろうか。お二人の話から見えてくるのは、自律自助の精神に立脚した、これからの国のあり方である。

誇りある人間は自分の人生に責任を持ちます。誇りある民族になれば、自国の運命に責任を持たないではいられない

櫻井よしこ
ジャーナリスト

 皇室を中心軸とする我が国の歴史を知ることも大きいと思います。聖徳太子の時代に始まり、その後、中華文明と決別をして独自の大和文化を築き、明治以降は「五箇条の御誓文」のもと、民と政府が一体となって近代国家をつくってきた。
 他には類例のない深い文明、文化を持った我が国の歴史を自分たちが引き継いで守ろうという意識を涵養していけたら、自衛隊だけに頼るのではなく一人ひとりが国を守らなくてはいけないという自覚に到達すると思います。

本来、強さというのは優しさと同義だと思います。「強くなければ優しくなれない」と言いますが、強さがあるから他者を守ることができるんです

番匠幸一郎
元陸上自衛隊西部方面総監

 いまの日本社会は何事につけ公よりも私を優先します。権利か義務かと問われれば権利、自由か規律かと問われれば自由という考えが主流になりつつあります。
 ところが、国を発展させていこうと思えば、公のために何ができるか、集団の中で規律を重んじどういう義務を果たさなくてはいけないか、という発想が欠かせないんですね。要するに楽しいことよりも厳しいことに立ち向かうことのできる姿勢が、特に次代を担う若者には求められているように思います。

プロフィール

櫻井よしこ

さくらい・よしこ――ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリスト。平成19年「国家基本問題研究所」を設立し、理事長に就任。23年日本再生に向けた精力的な言論活動が評価され、第26回正論大賞受賞。24年インターネット配信の「言論テレビ」創設、若い世代への情報発信に取り組む。近著に『韓国壊乱 文在寅政権に何が起きているのか』(PHP新書)など多数。

番匠幸一郎

ばんしょう・こういちろう――昭和33年鹿児島県生まれ。55年防衛大学校卒業。平成12年米国陸軍戦略大学卒業。第三普通科連隊長兼名寄駐屯地司令、第一次イラク復興支援群長、幹部候補生学校長、陸上幕僚監部防衛部長、第三師団長、陸上幕僚副長、西部方面総監などを歴任し、平成27年退官。平成30年まで国家安全保障局顧問。現在は丸紅顧問の他、全日本銃剣道連盟会長を務める。


編集後記

ジャーナリストの櫻井よしこさんと元陸上自衛隊西部方面総監の番匠幸一郎さんには、目の前の国難に向き合う道筋を示していただきました。大局的な視点で日本の今後を見つめる櫻井さん、イラク戦争後の復興支援など自衛隊幹部としての体験から防衛の現状や課題を説く番匠さん。お二人の話に強い危機感を覚えずにはいられません。

2019年12月1日 発行/ 1 月号

特集 自律自助

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