1 月号ピックアップ記事 /対談
日本よ 自律国家たれ 加瀬英明(外交評論家) 數土文夫(JFEホールディングス名誉顧問)
2020年という新しい年が始まろうとしている。大国同士の確執や半島に漂う不穏な空気など、日本を取り巻く世界情勢は予断を許さないが、私たちにこれを受けて立つ覚悟はどこまでできているだろうか。内外の諸事情に詳しい加瀬英明氏と、本誌でもお馴染みの憂国の士・數土文夫氏に、日本の憂うべき実情を克服し、新しい年を輝かしい未来への第一歩とするために成すべきことを語り合っていただいた。
人間誰しも、この世に生を受けたからには使命があるのではないでしょうか。
その使命に気づくためにも、ぜひ多くの日本人に、『致知』を読んで自分の中にある宝を自分自身で掘り出していただきたいですね
加瀬英明
外交評論家
人間誰しも、この世に生を受けたからには使命があるのではないでしょうか。一人ひとりが宝の山だと私は思います。その宝を全く生かすことなく生涯を終えるなんて、ご先祖様に本当に申し訳ない。
1日30分でもいいですから、自分は何のためにこの世に生を受けたのかと自問してほしいですね。この世に生を受けたからには、自分には必ず使命があるはずだ。その使命とは何だろうかと。
そのためにも、ぜひ多くの日本人に『致知』を読んでいただいて、自分の中にある宝を自分自身で掘り出していただきたいですね。
まず自分という人間をつくるために勉強すること。2つ目は、健康を自分の責任において守ること。そして3つ目は、現役を退いた後のための資産づくり。
この3つは国民一人ひとりの義務として若い時から教えていく必要があります
數土文夫
JFEホールディングス名誉顧問
自律自助の精神はこれからの人生百年時代において一層大切になってきますから、今後は小学校のうちから子供たちにこういう考え方をしっかり教えておく必要があると思います。
具体的には、まず自分という人間をつくるために勉強すること。修己治人の大切さです。2つ目は、健康を自分の責任において守ること。そして3つ目は、現役を退いた後のための資産づくり。
とにかく、この3つは国民一人ひとりの義務として若い時から教えていく必要があります。でなければ国家が持ちませんし、家庭が持ちませんし、自分自身が持ちませんよ。
プロフィール
加瀬英明
かせ・ひであき――昭和11年東京生まれ。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。『ブリタニカ国際大百科事典』初代編集長。52年より福田、中曽根内閣で首相特別顧問を務めた他、日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任。公益社団法人隊友会理事、東京国際大学特命教授。近著に『いま誇るべき日本人の精神』(ベストセラーズ)『昭和天皇の苦悩 終戦の決断』(勉誠出版)など。
數土文夫
すど・ふみお――昭和16年富山県生まれ。39年北海道大学工学部冶金工学科を卒業後、川崎製鉄に入社。常務、副社長などを経て、平成13年社長に就任。15年経営統合後の鉄鋼事業会社JFEスチールの初代社長となる。17年JFEホールディングス社長に就任。22年相談役。経済同友会副代表幹事や日本放送協会経営委員会委員長、東京電力会長などを歴任し、令和元年よりJFEホールディングス名誉顧問。
編集後記
緊張高まる世界情勢の中で、日本はいかに歩んでいくべきか。外交評論家の加瀬英明さんとJFEホールディングス名誉顧問の數土文夫さんには、危機感に乏しい日本の実情と、取り戻すべき美質を語り合っていただきました。加瀬さんが言及された「天下」を呼び込める国となるためにも、私たち一人ひとりの奮起が求められます。
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