12 月号ピックアップ記事 /インタビュー
好きだからこそ悩み苦しみ、努力ができた ——〝伝説の家政婦〟と呼ばれるまで タサン志麻(家政婦)
〝予約の取れない伝説の家政婦〟として、様々なメディアを賑わせる女性、それがタサン志麻さんである。一流フランス料理人として働きながらも自分の理想を追い求め、30代半ばでようやく天職に巡り合えたタサンさんの努力の軌跡は、まさに精進そのものだ。
好きなことを仕事にできる人は多くない中で、努力したいと思えるほど好きな仕事に出逢えたことは本当に幸せです
タサン志麻
家政婦
(タサンさんは〝予約の取れない伝説の家政婦〟として、大変注目を浴びていらっしゃいますね)
タサン
ありがとうございます。2015年にフリーランスの家政婦として働き始めたんですけど、ほどなくしてスケジュールが空くのをお待ちくださるお客様が列をなす状態となり、それに注目した様々なメディアの方が「予約の取れない伝説の家政婦」として私の活動を取り上げてくださるようになりました。
一般的に家政婦をやられている方って、主婦の方が多いんですね。その中で私は約15年間有名フレンチの厨房で働いていたという特殊な経歴があったため、ニュースにしやすかったのかもしれません。
(中略)
自分の気持ちをうまく言語化できなかったために、長年悩み苦しみましたが、フランス料理に対する思いを一貫して持ち続けたことがよかったのだと思います。自分の気持ちに嘘をついて、自分のお店を出していたら、いま頃もっと苦しんでいたことでしょう。
とはいえ、両親をはじめ周りの人には散々心配をかけてきました。有名レストランで働いていたのに突然辞めて、15歳も年下のフランス人と結婚したと思ったら、今度は家政婦になったと。ですから、いま天職に出逢えて本当によかった。別に家政婦になるために15年間も修業をしてきたわけではありませんが、あの苦悩した日々があったから、いま花が開いたのだと感じています。
プロフィール
タサン志麻
たさん・しま――辻調理師専門学校、同グループフランス校を卒業後、フランスの三ツ星レストラン「ジョルジュ・ブラン」での研修を修了。帰国後、日本の有名フランス料理店等で15年間働く。平成26年にフリーランスの家政婦として独立。各家庭の家族構成や好みに応じた料理が評判を呼び、〝予約が取れない伝説の家政婦〟と呼ばれるようになる。著書に『志麻さんのプレミアムな作りおき』『厨房から台所へ』(共にダイヤモンド社)など多数。
編集後記
常に飾らず自然体でいる家政婦のタサン志麻さんですが、言葉の節々から溢れ出る料理への情熱に圧倒させられます。
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