『二宮翁夜話』の訓えに学ぶ 飯森富夫(報徳博物館学芸員)

江戸末期、疲弊した600の村々を復興した二宮尊徳。その言行を弟子の福住正兄が書き記した書物が『二宮翁夜話』である。この本を紐解くと、農民の心を一つに纏め、農村復興のために精進を続ける尊徳の姿がありありと伝わってくる。長年、尊徳を研究する報徳博物館学芸員・飯森富夫氏に解説いただいた。

『二宮翁夜話』を読むと、尊徳がいかに村人の心を掴み、意識を変え、村興しを進めていったのかが尊徳の語り口調によってありありと伝わってきます

飯森富夫
報徳博物館学芸員

『二宮翁夜話』は、尊徳が折に触れて語った言葉を弟子の福住正兄(1824~1892)が書き留めたものですが、それを読むと、尊徳がいかに村人の心を掴み、意識を変え、村興しを進めていったのか。そのことが尊徳の語り口調によってありありと伝わってきます。
 尊徳の教えを端的に表現した言葉の一つに「積小為大」が挙げられます。私たちの仕事でも小さい事柄をコツコツと積み上げていくことが成功の一番の早道だと言われています。
 一攫千金という言葉もありますが、仮にそれが現実のものとなったとしても、その人が成功や幸福を手に入れられるという保証はどこにもありません。尊徳は時代を超えて私たちに大切な真理を教えてくれているのです。

プロフィール

飯森富夫

いいもり・とみお――昭和33年東京都生まれ。中央大学大学院を経て62年報徳博物館学芸員となり、今日に至る。


編集後記

二宮尊徳の言行を纏めた『二宮翁夜話』について報徳博物館学芸員・飯森富夫さんにお話しいただきました。生きる上での原理原則を説く尊徳のいきいきとした語りが現代に甦ります。

2019年11月1日 発行/ 12 月号

特集 精進する

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