精進は必ず喜びとなって返ってくる 和波孝禧(ヴァイオリニスト)

国内外での演奏活動や後進の育成など、日本を代表するヴァイオリニストして精力的な活動を続けている和波孝禧氏。全盲に生まれながらも、自らの人生を力強く切り開いてきた和波氏が語る、その精進の歩みと母や師の教え、そして音楽への思い――。

自分の人生を振り返ってみても、やっぱり、一つのことを中途半端にせず、一所懸命精進していけば、必ずその喜びは自分に返ってくるというのが実感です

和波孝禧
ヴァイオリニスト

 音楽であれスポーツであれ、お金儲けじゃなく、自分の人間性を磨けるものを何か一つ見つけて、夢中になって精進することが人生を豊かなものにしてくれると思います。さらに、共に精進できる伴侶がいればなお喜びは大きくなる。僕も、同じ音楽の道に精進する妻がいてくれたことが人生の大きな励み、支えになってきました。

プロフィール

和波孝禧

わなみ・たかよし――昭和20年東京都生まれ。4歳よりヴァイオリンを始め、辻吉之助、鷲見三郎、江藤俊哉の各氏に師事。37年第31回日本音楽コンクール第1位、特賞。その後、パリやロンドンなどの国際コンクールに上位入賞。「点字毎日文化賞」「文化庁芸術祭優秀賞」「サントリー音楽賞」などを受賞。平成17年紫綬褒章、27年旭日小綬褒章。また桐朋学園大学と毎夏開催する「八ヶ岳サマーコース」で後進の指導に当たっている。著書に『音楽からの贈り物』(新潮社)『ヴァイオリンは見た』(海竜社)などがある。


編集後記

全盲に生まれながら、日本を代表するヴァイオリニストとして活躍する和波孝さんの歩みに、精進の大切さを学びます。

2019年11月1日 発行/ 12 月号

特集 精進する

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