7 月号ピックアップ記事 /インタビュー
かけがえのない命と向き合い続けて 本郷由美子(一般社団法人下町グリーフサポート響和国代表理事)

いまから18年前、平和な学校に押し入った一人の男の凶行により、8人もの児童の命が奪われた。附属池田小事件である。この事件で7歳の愛娘を失った本郷由美子さんはいま、様々な喪失体験に苦しむ人々を支える活動に邁進している。一時は死を思い詰めるほどの絶望の淵から、本郷さんはいかにして新たな運命を開いてきたのか。今日に至る再生の軌跡を伺った。

私は、瞬きするこの瞬間も愛おしく、限られた大切な時間を使い、これまでの経験を通じて学んだことを次に繋げていきたい。そのことを通じて命を支え、命を繋いでいきたいと思う
本郷由美子
一般社団法人下町グリーフサポート響和国代表理事
斬り倒された木の切り株にも、光が当たり、水が与えられ、様々な支えを受けることでまた新しい芽が生えてきます。それと同じように大切なものを失い、絶望の底にある人の心にも、人と巡り会い、支えられ、思いやりを受けることで、また新しい命が育まれていくのです。
〔写真=小嶋三樹〕
プロフィール
本郷由美子
ほんごう・ゆみこ――群馬県生まれ。平成7年阪神・淡路大震災で被災し、大阪府池田市に転居。13年大阪教育大学附属池田小児童殺傷事件で愛娘を失う。翌年グリーフケアと出合い、17年精神対話士の資格を取得。その後上智大学グリーフケア研究所で専門スピリチュアルケア師の認定を受け、同研究所で非常勤講師を務める。現在は、事件や事故の被害者、東日本大震災の被災者や身近な人を亡くした悲しみに寄り添う活動のほか、いのちの重さ・大切さを伝える講演活動に邁進。著書に『虹とひまわりの娘』(講談社)がある。
編集後記
最愛の娘を失った悲嘆がどれほどのものか。下町グリーフサポート響和国代表理事・本郷由美子さんの心中は想像を絶します。漆黒の闇に再び光が点るまでの軌跡が途轍もない重みを以て胸に迫ります。

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