11 月号ピックアップ記事 /二十代をどう生きるか
人生は自己探究の旅。一歩踏み出す勇気を持て! 藤岡 弘、(俳優・武道家)

映画・テレビを問わず、唯一無二の存在感で観る者に強烈な印象を残す藤岡弘、氏。18歳で地元・愛媛より単身上京、俳優として何の後ろ盾もない中で自らを鍛え、今日を築いた。「人生はサバイバルだ」。人生を自分の手で拓き、納得して歩むための指針をいただいた。

人生はサバイバル。最悪の中にこそチャンスがある。
痛みや辛さを伴う体験をするからこそ、自分だけの実感が深まり、それが明日を生きる力になるのだ
藤岡 弘、
俳優・武道家
〔写真提供=SANKIワールドワイド〕
早いもので80歳を迎えた私の心に去来するものがある。
生きるとは、生き抜くとはまさしく芸術であり、いまここに生きていることは感謝するほかない奇跡だ、という思いである。
1971年、25歳で『仮面ライダー』に主演させてもらい、ありがたいことに多忙を極める中、知人に連れられて老人ホームや児童養護施設などを慰問するようになった。そのうち、世界にはもっと困っている人がいると知らされ、俳優業の傍らスーダンやイラク、カンボジア、エチオピアなどの貧困地域や紛争地帯を訪れ、ボランティアに携わることになったのだ。
そこで目にしたのは、日本にいては想像もできない現実だった。女性や子供が容赦なく手にかけられ、難民キャンプに折り重なり遺棄された修羅場。どの国家も民族も、生き抜くのに真剣である。単に表と裏で片づけられない社会の闇、人間の奥深さを知った。
それでもキラキラ目を輝かせる難民の子供たちとの感動の出逢いを重ねながら、100か国近くに足を運んできた。私は20代から40、50代にかけてこの活動を通じ、自分が生かされて生きていることを実感した。
同時に、日本人が元来持ち合わせている真心、思いやりの尊さに気づかされた。考えればそれは、幼少期に明治生まれの父と母から授かった教えそのものだった。
いかなる知識、学問も実体験の中で磨かれ、本物になる。実は自己発見の旅をさせてもらっていたのである。その学びを踏まえ、未熟ながら必死に生きてきた半生を振り返ってみたい。……(続きは本誌をご覧ください)
~本記事の内容~
◇学問は実体験でこそ磨かれる
◇父と母に注ぎ込まれた武士道
◇失敗しなければ学びも得られない
◇25歳での大事故と復活
◇実をもって虚となす
プロフィール
藤岡 弘、
ふじおか・ひろし――昭和21年愛媛県生まれ。高校卒業後、39年単身上京。俳優養成所を経て、松竹ニューフェイスでデビュー。テレビドラマ『仮面ライダー』『特捜最前線』、映画『日本沈没』『SFソードキル』など出演作多数。近年もNHK大河ドラマ『どうする家康』等で注目を集める。空手、居合道、柔道ほか幾多の武道の段位を持つ武道家でもあり、100か国以上の紛争地帯や被災地で難民救済に当たってきた。
編集後記
20代で主演した『仮面ライダー』を皮切りに、お茶の間でファンを増やし、80歳となったいまも現役で活躍する藤岡さんに、ご本人が代表を務める事務所にて取材をさせていただきました。
4人のお子さんの父にして経営者、武道家として数多くの段位も持つ藤岡さん。日々稽古や瞑想を欠かさず行うのみならず、様々な媒体に目を通し、琴線に触れた言葉や情報をメモするノートはすぐに使い切ってしまうとのことでした。
絶えず自分の肉体や感性を研ぎ澄まし、真剣に生きるべしというメッセージが、言外から伝わってくる時間でした。

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