〝筋肉ロック〟を 解除して、体の痛みを自分で取る 鮎川史園(「ゼロ化整体」代表セラピスト)

固くなった筋肉は「伸ばす」「揉む」では緩まない――?
多くの方が悩まれているであろう健康の問題に対し、「体と心は繋がっている」という観点から、読者の皆様に役立つ健康情報をお届けしている連載「大自然と体心」。今月ご登場いただいたのは、筋肉をニュートラルな状態に戻し、その人が本来持つ100%の力を発揮する体づくり「ゼロ化整体」を開発した鮎川史園さんです。工学部出身、IT業界を経て整体の道に入るという異色の経歴の持ち主であり、これまで2万人以上の施術を通して研究を重ね、独自のメソッドを編み出されました。
コリを感じると、伸ばしたり揉んだりすることだけが正しいと考えてしまいます。ただ、鮎川さんはあえて「縮める」ことで、筋肉の〝ロック〟は解除されるといいます。その真意とは何か、体を整える意義とは……。

人は誰しも、生まれた瞬間に最高の財産をいただいている。その本来の状態との差をゼロにした体で、本領を発揮していただく。それが「ゼロ化整体」の目的

鮎川史園
「ゼロ化整体」代表セラピスト

日常生活の中で、肩や腰に痛みを感じることはありませんか?

病院やマッサージ店に通っても、なかなかよくならない。あるいは一時的によくなったけれど、すぐ痛みがぶり返してしまう……。私の「ゼロ化整体」サロン(東京都渋谷区)や出張施術を初めてご利用くださる方の多くが、そのような悩みを抱えておられます。

私が開発した「ゼロ化整体」は、一般的なマッサージやストレッチと異なり、筋収縮のメカニズムに則り、本来の姿を取り戻すためのメソッドです。これを自宅や職場でたった90秒、4つのステップで続けられる「セルフ整体」という形にし、YouTubeなどでお伝えしてきました。

お客様からは「長年辛かった肩こりがなくなった」「腰痛が楽になった」等々の声をいただきますが、皆さんがおっしゃるには「何をしても変わらない」と諦めていたけれど「変わるんだ」と前向きになれた、とのこと。人は体に不安を抱えていると、夢や目標、やりたいことがあっても「やめておこう」と後ろ向きに考えがちですが、体が整うと心も前向きになります。この一点だけでも、体を整えることは重要なのです。

 (中略)

長年の経験から、筋肉が固くなる原因は大きく次の3つに分かれると言えます。

①老廃物

②エネルギー(ATP)不足

③筋肉ロック

このうち①と②は血流と関わりが深く、マッサージなどで血行がよくなればたいてい解消されます。

しかし③は少し違います。筋肉ロックとは「筋肉を守る仕組みが働いている状態」です。筋肉は、負荷がかかると反射的に「守れ!」という信号が出て、縮む性質を持っています。

通常はすぐに消えるこの信号が、諸々の条件が重なって解除されなくなることがあるのです。マッサージに通っても肩こりや腰痛が楽にならない方は、この3つの原因が揃っていることも多くあります。

今回は、あまり知られていない筋肉ロックに焦点を当て、セルフ整体の基本をご紹介します。……

~本記事の目次~
 ◇1か所につき90秒、4つのステップで改善
 ◇セルフ整体は筋肉とのコミュニケーション
 ◇持って生まれた〝最高の状態〟へ

プロフィール

鮎川史園

あゆかわ・しおん――昭和52年鹿児島県生まれ。大学卒業後、WEB関連の仕事を経て整体院「いぎあ☆すてーしょん」総院長・松尾毅氏と出逢い、独自の整体法ミオンパシーを学ぶ。平成23年「いぎあ☆すてーしょん代官山」院長就任(現在は退任)。国内外から予約を受け2万人を施術し、日本代表クラスを含むプロアスリート向けの施術技術開発も手掛ける。「ゼロ化整体」開発者。現在は出張施術の傍ら〝セルフ整体〟をテーマに動画配信を継続。近著に『体の痛みは自分で治せる!』(大洋図書)がある。


編集後記

肩が凝りすぎて、もはや凝っているという感覚すらない。辛さも全く感じない。そんな状態でお話を伺いました。
セルフ整体のやり方を教えていただくと、明らかに体が楽になりました。そこで「ああ、自分は凝っていたんだ」と気づきましたが、体をほぐすことに加え、そういう自分の感覚として「差」に気づくこともまた、セルフ整体の目的なのだそうです。
仕事をしていると、つい「あれをやらなきゃ」「これもやらなきゃ」と、自分の外へ外へと意識が向いてしまいがちです。だからこそ、1日90秒でも、自分の筋肉と対話し、内省を深めることで気づくことがある。マインドフルネスにも適した方法だと感じました。

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