7 月号ピックアップ記事 /百年企業はどこが違うのか
創業161年 鈴廣かまぼこ 鈴木智博(鈴廣かまぼこ社長) 藤間秋男(TOMAコンサルタンツグループ会長)

神奈川県は小田原の地に161年の歴史を刻んできた蒲鉾の老舗・鈴廣かまぼこ。品質への徹底したこだわりと柔軟な発想で時代の荒波を乗り越えてきた同社の経営のバトンは、昨年現社長の鈴木智博氏に手渡された。就任から半年余、鈴木氏が考える同社の強み、そして次代を見据えた思いとは。

長く続く会社というのは過去の実績に胡座をかくことなく、常に先を見据えて変革を重ねているのではないかと思います
鈴木智博
〈藤間〉
御社の蒲鉾は、歯触りがよくて本当においしいですね。私はこれまでたくさん食してきましたから、よそのものをいただくと、これは鈴廣ではないなってすぐ分かります(笑)。
〈鈴木〉
藤間先生には、いつも応援していただいてありがたく思っています。「この間行った何処其処(どこそこ)のお蕎麦屋さんには、鈴廣の蒲鉾がありませんでしたよ」などとメールをいただく度に、もっと頑張らなければと(笑)。
〈藤間〉
御社の蒲鉾は日本中のお蕎麦屋さんに置いてあってもおかしくないと思うのですが、創業の地である小田原を大切にして、闇雲に全国展開はなさっていませんね。
〈鈴木〉
網元魚商を営んでいた創業者の鈴木権右衛門が、1865(慶応元)年に副業として蒲鉾製造を始めたのがこの小田原です。鈴廣の屋号を掲げて蒲鉾専業になったのが、明治中期に当主を務めた六代目の廣吉からでした。
〈藤間〉
創業から161年、様々な風雪に耐えて事業を続けてこられたのでしょうね。
〈鈴木〉
いまもそうですけど、過去にも様々な荒波に見舞われてきました。創業間もない頃は地元で獲れる魚で蒲鉾をつくっていましたが、ライバルとどのように差別化を図っていくかという課題に向き合ってきました。……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇老舗にあって老舗にあらず
◇自分の礎となった「親父通信」
◇「この一番大変な時に帰ってこなければダメだ」
◇蒲鉾離れの克服が自分の役割
◇ブランドを掲げる者の責任を胸に

〈ホスト〉
藤間秋男(とうま・あきお)
TOMAコンサルタンツグループ会長
昭和27年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士税理士。明治23年創業の藤間司法書士事務所の末裔として、昭和57年藤間公認会計士税理士事務所を新規創業。230名の総合コンサルファームにTOMAグループを成長させ、平成29年より会長。著書に『中小企業の事業承継はじめに読む本』(すばる舎)『100年残したい日本の会社』(扶桑社)など多数。
プロフィール
鈴木智博
すずき・ともひろ――平成元年神奈川県生まれ。26年青山学院大学経営学部卒業。阪和興業を経て、28年鈴廣蒲鉾本店に入社。常務・企画本部長を経て、令和7年鈴廣かまぼこ社長に就任。
編集後記
事業承継コンサルタントとして百年続く企業づくりに取り組む藤間秋男氏が、百年企業の強さの秘密を探る本連載。第7回となる今回は、蒲鉾の老舗として小田原の地で長年親しまれてきた「鈴廣かまぼこ」の鈴木智博社長にご登場いただきました。取材が行われた鈴廣かまぼこ本社付近には、かまぼこ博物館や鈴なり市場が軒を連ねる「鈴廣かまぼこの里」があり、平日にも拘らず多くの観光客で賑わっている様子が印象的でした。

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