行動でする奉仕が子供たちの未来を開く 原田義之(タイ国チェンライロータリークラブ元会長)

タイ北部の山岳地域に住む少数民族・アカ族。彼らは長年様々な迫害を受け、未来に希望を見出せない生活を余儀なくされてきたという。この現実に心を痛め、17年にわたり支援の手を差し伸べ続けてきたのが原田義之氏である。原田氏の信条、そして傘寿を超えてなお現地へ向かい続ける氏の思いに迫った。


「続けてこそ道」。私のこれまでの奉仕活動を語る上で、これ以上の言葉は見つかりません

原田義之
タイ国チェンライロータリークラブ元会長

――原田さんは、長年北タイに住む少数民族・アカ族の支援を続けてこられたそうですね。

〈原田〉 
64歳で会社経営から身を退いて、これからは奉仕の人生を生きようと決意しましてね。現職時代に仕事で赴いていたタイで、極貧生活を余儀なくされているアカ族の子供たちのことを知り、2009年から現地へ足を運んで支援をするようになったんです。気がつけば今年で17年、私も6月で83歳になります(笑)。

――傘寿を越えたいまも現地へ。

〈原田〉 
「行動でする奉仕」が私の信条ですからね。いまも2か月に1回、約20日間現地に滞在して活動しています。平日はタイ北部の街・チェンライの国立ダムロンラットソンクロ高校(以下、ダムロン高校)で日本語講師のボランティアを務め、週末にチェンライから約20キロ離れた山奥のアカ族の集落へ支援物資を届けに行くんです。

――アカ族とは、どんな方々なのですか。

〈原田〉 
北タイの山岳一帯に14万人が住むといわれ、長年地勢的な逆境に翻弄され続けてきました。

彼らは、約800年前にモンゴルの襲来を受けてチベット山中へ移り住みました。生活の手段は焼畑農業で、30年サイクルで南下し、100年ほど前に北タイへ住むようになりました。しかし先の世界大戦後に国境線が引かれ、タイの国に組み込まれた彼らは、移動の自由を制限され、唯一の生活手段であった焼畑を禁止されるなど、様々な差別や迫害を受けて極貧生活を余儀なくされてきたんです。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~(全4ページ)
◇80歳を過ぎてなお北タイの支援に赴く
◇子供たちの〝輝く瞳〟に惹かれて
◇行動でする奉仕と現地目線を信条に
◇「勉強したって家にお金は入らない!」
◇17年の実践を通じて見えてきたもの

プロフィール

原田義之

はらだ・よしゆき――昭和18年福島県生まれ。慶應義塾大学商学部(山桝ゼミ)を卒業後、現・近畿大阪銀行に入行。その後フジマサ機工を経て、ゼオテック社長に就任。平成18年退任。20年NPO法人タイ国学生日本語教育環境支援プロジェクトを設立し、理事長に就任。25年タイ国チェンライロータリークラブ会長に就任。現在、タイ国国立ダムロンラットソンクロ高校日本語教師を務めると共に、タイ少数民族アカ族の就学支援を続けている。


編集後記

ちょうど10年前に弊誌の「致知随想」にご登場いただいた原田義之さんに、この度再度お話を伺う機会をいただきました。その時から変わらぬ姿勢で、否、一層の情熱をもって、今年83歳となったいまも日本とタイを往復してアカ族の子供たちの支援を続けるその姿は、まさにご自身が信条とする「行動する奉仕」を体現するものです。子供たちの「輝く瞳」に惹かれたという原田さんの温かい笑顔が、とても印象的でした。

2026年6月1日 発行/ 7 月号

特集 続けてこそ道

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