熱い心と冷たい頭を持て 柄澤 忍(クオール社長)

調剤薬局「クオール薬局」の運営を中心に、かかりつけ薬剤師や在宅医療をはじめとした地域医療に貢献するサービスを提供するクオール株式会社。パート薬剤師として入社、2020年には同社初の女性社長に抜擢されたのが、柄澤忍さんです。道なき道を切り拓いてきた歩みを辿ると共に、経営者として心掛けていること、社員の可能性を引き出し、チームの心を一つにする秘訣を伺いました。
【写真=社長となったいまもなお、社員一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしている】

「熱い心と冷たい頭を持て」

経営者は熱い情熱と共に常に冷静な判断が求められます。この言葉を戒めとして、これからも前進していく決意です

柄澤 忍
クオール社長

――柄澤さんが社長を務められるクオールは全国に薬局を展開され、人々にすっかりお馴染みですね。

〈柄澤〉
ありがとうございます。店舗数でいえばクオールHDとして現在約950店舗。うち約650店舗が私共クオールの直営となります。

私がクオールの薬局でパート勤務を始めた1996年は創業4年目で、店舗数もまだ10店舗ほどでした。この30年間でここまで成長できたのかと思うと、実に感慨深いものがありますね。従業員数は現在、臨時雇用を含めて約8,000名、2024年3月期の売上高は約1,800億円でした。

――いまはどのようなことに力を入れておられますか。

〈柄澤〉 
私たちは創業者であり現名誉会長の中村勝から、医療機関といつも連携して、顔の見える関係であれと教えられ守ってきました。患者さんお一人に対して医療機関と薬局が共に支えていくマンツーマン薬局をモットーとしていて、時には先生方と一対一で話し合いながら患者さんの医療方針を考えてきたのです。

それと同時に患者さんの利便性を考え、ローソン様やビックカメラ様、良品計画様などと連携して、店舗の一角に調剤薬局を構えてきました。ローソン様との提携は一番長くて15年くらいになりますね。そして、在宅医療やオンライン服薬指導、がん患者さんのサポートなどにも力を入れています。

――在宅医療というと?

〈柄澤〉
いまの高齢社会では……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇パート薬剤師から大企業の社長に
◇入社のきっかけはママ友の何気ないひと言
◇従業員一人ひとりに声を掛け、大切に
◇社長就任早々のコロナ対策

プロフィール

柄澤 忍

からさわ・しのぶ――昭和36年三重県生まれ。名城大学薬学部卒業後、三重県内の病院に薬剤師として就職。平成8年パート薬剤師としてクオールに入社。事業部長などを経て令和2年社長に就任し、全国約650店舗に展開するクオール薬局の経営を担う。


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