4 月号ピックアップ記事 /大自然と体心
三拍子の肌ケアでかゆみ知らずの人生を実現する 豊田雅彦(うるおい皮ふ科クリニック院長)

多くの方が悩まれているであろう健康の問題に対し、「体と心は繋がっている」という観点から、読者の皆様に役立つ健康情報をお届けしている連載「大自然と体心」。今月ご登場いただいたのは、うるおい皮ふ科クリニック(千葉県松戸市)院長の豊田雅彦さんです。
全国各地からその腕を頼って詰めかける患者さんを診ると共に、通院が難しい地域の方のために往診までこなす豊田さん。かゆみに悩む人を救いたい一心で、皮膚の研究と実践を続け、過去には3度、世界的な研究発表の場で最高賞を贈られている皮膚のスペシャリストです。
多くの人が頭を抱えるかゆみは、どうすれば予防・緩和できるのか? 基本となる〝肌ケア〟を伝授していただきました。

「三拍子の肌ケア」は、いずれも日常生活ですぐできることです。地味なことを、地道に続けていけば、どんなに頑固なかゆみも必ず克服できる――それは私の研究と経験からの確信であり、最もお伝えしたいことです
豊田雅彦
うるおい皮ふ科クリニック院長
空気が乾燥するこの季節、しつこいかゆみなど肌のトラブルに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。私が院長を務めるうるおい皮ふ科クリニック(千葉県)には、様々な肌のトラブルを抱えた患者さんが来院されますが、近年急増しているのがアレルギー性皮膚炎、いわゆるアトピーです。
私が皮膚科医になった35年前には、アトピーは乳幼児の病気とされ、3歳頃から症状が消えていくケースがほとんどでした。ところが、中高生になって再発するケースが年々増え、子供の頃は何の症状もなかった人が大人になって突然アトピーになる〝成人型〟が目立つようになりました。現在では超高齢社会を反映したように70代、80代になっても症状が続く〝高齢者アトピー〟も珍しいケースではありません。もはやアトピーは乳幼児の病気とは言えなくなっているのです。
アトピーに代表されるアレルギー性皮膚炎は、大まかに次の二つがオーバーラップすることで引き起こされます。主に肌が弱い、肌が乾燥しやすいなどの遺伝・体質的要因(肌素因)と、アレルギー反応を生じやすい要因(アレルギー素因)に加えて、誤ったスキンケアや生活習慣の乱れなどの後天的な環境的要因です。
しかし私共としては、遺伝・体質的要因よりも、環境的要因によって症状が悪化している患者さんが急増しているというのが実感です。つまり、かゆみの要因をしっかり把握し、スキンケアの方法なり、生活習慣なりを正していくことでアレルギー性皮膚炎は改善できるということです。
……(続きは本誌をご覧ください)
~本記事の内容~
◇かゆみに悩む人を救いたい
◇基本は洗浄(清潔)と保湿
◇体を内から整える栄養×運動×睡眠
◇地味なことを地道に続ける
プロフィール
豊田雅彦
とよだ・まさひこ――昭和39年長野県生まれ。平成2年富山医科薬科大学(現:富山大学)医学部卒業。医学博士。15年富山大学皮膚科講師を経て、17年千葉県松戸市にうるおい皮ふ科クリニック開業。国際皮膚科学会において、研究と臨床の両部門で単独世界一を受賞した皮膚科専門医。近著に『「もう治らない」とあきらめていたアトピー、ニキビ、かゆみ、肌の悩みの治し方』(池田書店)。
編集後記
肌ケアのメソッドは、単に肌を外から守るのではなく、内側を整えること、さらにメンタル面のケアまで行うことが大事だとのお話に目からうろこの思いでした。絶えず皮膚科医の果たすべき役割を考え、医療活動を続けておられる豊田先生の姿勢にも感銘を受けました。

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