Never never never give up. 井上ゆかり(日本ケロッグ社長)

各界を代表する企業、機関、団体を牽引してきたリーダーに、人生観・仕事観を形成した体験や、貫いてきた信条を披歴いただく連載「私の座右銘」。今回は、「コーンフロスティ」「素材丸ごとグラノラ」を筆頭に、シリアル分野のパイオニアとして家庭で愛される商品を生み出し続ける日本ケロッグ社長の井上ゆかり氏に登場いただきました。男女雇用機会均等法施行前に新卒で外資系企業に入社。以来一貫して外資の世界を舞台に活躍し、経営者として持ち前の柔軟さと不屈の精神で複数の企業を再生させてきた道のりを伺いました。

多くのビジネスマンと接する中で、自分の論理、能力の範疇で仕事をする人が伸び悩む姿を幾度となく目にしてきました。

大事なのは、お客様や現場の声に絶えず耳を傾けること。

その上で、失敗を恐れずに自己変革を続けることです

井上ゆかり
日本ケロッグ社長

当社はシリアルのシェアで世界トップを走る「ケロッグ」の日本法人として、1962年に設立。現在は、「コーンフロスティ」「チョコワ」「素材丸ごとグラノラ」「オールブラン」を筆頭に、カテゴリーのパイオニアであるシリアル分野、「プリングルズ」を扱うスナック分野の2つを柱に事業を展開しています。

いまや米、パンに次ぐ「第三の主食」としてその地位を確立したシリアル。しかし、その生みの親であるケロッグ兄弟の存在はあまり知られていません。

18世紀半ば、産業革命により農業から工業へと移行する中で、人々の運動量は減り、一方で従来と同様にカロリーや脂肪分の多い食生活を続けた結果、便秘や代謝異常に悩まされる人が増えました。そこで、アメリカ・ミシガン州で療養所を営んでいたJ.H.ケロッグ、W.K.ケロッグ兄弟は人々の健康を取り戻すため、消化が良く、栄養価の高い食品の開発に取り組んだのです。


プロフィール

井上ゆかり

いのうえ・ゆかり――昭和37年大阪府生まれ。60年大阪大学経済学部を卒業後、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)に入社。平成15年ジャーディンワインズアンドスピリッツ(現MHD)常務取締役、17年キャドバリージャパン(現モンデリーズ・ジャパン)社長を経て、25年に日本ケロッグ社長に就任。グラノラ、スナック分野への参入を推進するなど、就任から11年で売り上げを3倍に増加させる。


編集後記

シリアル誕生の背景には、「シリアルの父」であるケロッグ創業者の「人々に健康を」という深い祈りがあったことを知り、手軽さだけではない、シリアル事業の奥深さを目の当たりにしました。創業者の信念に共鳴し、他社からケロッグ社長に就任。本誌では、社長として主力商品であるコーンフレークの人気停滞などの難局を切り抜けてきた歩みをはじめ、現在の信条が培われた背景に迫っています。本欄で取り上げた言葉は、複数の外資系企業の経営、経済団体の幹事を務めるなど、リーダーとして数多くの経験を積んできた井上さんならではのものです。

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