3 月号ピックアップ記事 /二十代をどう生きるか
誠実に、嘘偽りなく、面白いことを突き詰めよう 唐池恒二(九州旅客鉄道相談役)

国鉄の分割民営化以降、経営難に喘いでいたJR九州を東証プライム上場企業へと発展させた唐池恒二氏。日本初の豪華寝台列車「ななつ星in九州」を筆頭に、鉄道の常識を覆すアイデアで数々のヒットを生み出してきた。氏の卓越した経営手腕はいかにして培われたのか。原点となる20代の仕事ぶりを振り返っていただいた。
【写真=1987年、JR九州初代社長・石井幸孝氏(写真右)と共に】

逆境と屈辱——。
この2つの言葉は捉え方次第で大きなバネになり、人と組織を強くしていくのではないでしょうか
唐池恒二
九州旅客鉄道相談役
私がJRの前身である国鉄に入社したのは、1977年でした。
大学4年生の5月頃、京都大学の柔道部の10年上の先輩が国鉄に勤めており、その方から誘われたのがきっかけです。
当時は柔道一筋の生活でしたから、就職活動のことは全く考えていませんでした。ただ、先輩に紹介された人事課長にお会いすると、豪快かつユーモア溢れる人柄に瞬く間に惹き込まれました。
決定打となったのは、大学最後となる大会が北海道で開かれた1976年7月。約40人の貧乏学生の集団が立派なホテルに泊まれるはずもありません。
国鉄に勤める先輩の伝手を頼って、北海道警察の寮に1週間ほどお世話になりました。さらに、先輩は我われ柔道部員に約300人前の餃子まで差し入れしてくださったのです。
「ああ、借りができた」。餃子300人前がトレードマネーとなり、就職活動はせず国鉄に入ろうと決心しました。ご恩に報いるというよりは、餃子に釣られたわけです。おまけに鉄道が好きではなかったことを思うと、ご縁に導かれてきたというのが偽らざる実感です。
……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇ご縁に導かれて国鉄へ
◇一度約束したことは絶対に守る
◇挨拶一つで心は必ず通じ合う
◇逆境と屈辱をバネにして
◇いかに面白いことを追求するか
本記事では全3ページにわたって、唐池氏の若かりし歩みを振り返っていただきました。与えられた仕事に一所懸命向き合ってきた唐池氏の体験談には、仕事・人生を発展させていく秘訣が凝縮されています。全文は本誌をご覧ください!
プロフィール
唐池恒二
からいけ・こうじ――昭和28年大阪府生まれ。52年京都大学法学部卒業後、日本国有鉄道(国鉄)入社。62年国鉄分割民営化に伴い、九州旅客鉄道(JR九州)入社。平成21年社長、26年会長に就任。令和5年より現職。著書に『ななつ星への道』(PHP研究所)『感動経営』(ダイヤモンド社)など多数。
編集後記
米旅行誌で3年連続世界1位に輝いた「ななつ星㏌九州」を生み出し、JR九州を上場へと導いた唐池氏。終始ユーモアを交えながら、笑顔で快く質問に答えてくださるお姿がいまも心に残っています。

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