8 月号ピックアップ記事 /第一線で活躍する女性
仕事を楽しむこと。それが何よりのコツ 澤田晴子(伊勢半社長)
毎号分野を問わず、人生を真剣に生き、一隅を照らしている女性にフォーカスしている人気連載「第一線で活躍する女性」。創刊当初より読者の皆様からの高い人気を得ている人気連載です。今月は、大手総合化粧品メーカー「伊勢半」社長・澤田晴子さんにご登場いただきました。
200年続くこの会社をさらに発展させ、次の世代へ伝承していくためにも、いま自分に与えられた仕事を全力で楽しみ、役割を全うしたいと思います
澤田晴子
伊勢半社長
──澤田さんが社長を務められる伊勢半は「ヒロインメイク」「キスミー フェルム」といった化粧品ブランドをはじめ、幅広い商品展開をされていますね。
〈澤田〉
弊社はメイクアップをはじめとする化粧品全般を手掛けており、おかげさまで2年後の2025年には創業200年の節目を迎えます。私共はもともと江戸時代に日本橋で創業した「紅屋」です。
高品質の「紅」は玉虫色(金緑色)に光り輝くのですが、伝統的な製法で現在もつくり続けているのは残念ながら当社だけになりました。中興の祖である6代目が戦後、紅の文化を大切に継承しながらも紅だけでは生き残れないと判断して総合化粧品メーカーへと舵を切り、現在会長である主人が7代目を継いでいまに至ります。
─原点は「紅」なのですね。
〈澤田〉
ええ。いま主力商品のアイラインやマスカラなどは「紅」とどう関係しているのか、と聞かれることがありますが、製品の形は違えども流れる精神は同じです。
「紅」をつくり続けてきた職人魂でいまも商品を手掛けており、手前味噌になりますがヒロインメイクシリーズは〝汗をかいても涙を流しても絶対に落ちない〟をコンセプトに、徹底して品質、機能にこだわっています。
また、弊社は業界で初めてセルフ販売方式(百貨店で美容部員が販売するのではなく、商品を陳列しお客様が直接購入する販売手法)を先代の時代に導入しています。「どんなによいものをつくっても、そのよさが伝わらなければ意味がない」というのが先代の教えで、いまもその精神が受け継がれています。
「どんなによいものをつくっても、そのよさが伝わらなければ意味がない」というのが先代の教えです
中興の祖である6代目・澤田亀之助氏
玉虫色(金緑色)に光り輝く「紅」。口紅や頬紅としていまも使われているが、現在も伝統的な製法で作っているのは伊勢半だけという。
プロフィール
澤田晴子
さわだ・はるこ――昭和29年神奈川県生まれ。大学卒業後、商社勤務やカルチャースクール講師などを経て、約20年間企業教育のコンサルタントとして活躍。平成15年伊勢半グループ入社。新規事業部長やグループ会社の社長を歴任し、21年に社長に就任、現在に至る。伊勢半グループの中で女性初の社長。
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