教育への投資は国家百年の大計 ~教員不足をいかに解消するか~ 前田晴雄(全日本教職員連盟第十五代委員長)

いま年々深刻化している教師不足によって、教育現場が逼迫し、子供たちの教育に影響が出始めています。なぜ教師は足りないのか、そしてどうすれば子供たちの笑顔が輝く教育現場を取り戻していけるのか。現役教師の経験をもとに、様々な教育改革の提言を行っている全日本教職員連盟第十五代委員長の前田晴雄氏に語っていただきました。

よりよい未来の日本を創っていくには、今の子供たちを学校・教師はもちろん、社会全体でしっかり育てていく以外にはありません

前田晴雄
全日本教職員連盟第十五代委員長

教育現場の〝教師不足〟が深刻な問題になっています。文部科学省の調査によれば、令和3年4月時点で、公立学校1897校で2558人の教師が不足しているのです。これは全体の学校数の5.8%に当たります。

そのため、授業計画等を担当する教務主任や学校運営の要である教頭がやむなく担任を兼務している学校も出てきています。そのような状況が続けば、教務主任や教頭が本来やるべき業務が十分にできなくなり、学校運営に支障を来す事態になりかねません。

そして教師不足によって最も影響を受けるのは、何より児童・生徒たちです。4月時点で教師が足りていないということは、子供たちが希望をもって新学期を迎えても、正規の担任が決まっていないクラスがあるということです。その時の状況で臨時教師、あるいは教務主任、教頭が担任をしますというのでは、子供たちも不安になりますし、担任との信頼関係を築くことも難しくなるでしょう。

プロフィール

前田晴雄

まえだ・はるお――昭和53年徳島県生まれ。平成12年高知大学教育学部卒。14年徳島県公立学校教師に採用され、複数の徳島県内の公立小学校に勤務。23年鳴門教育大学大学院に現職派遣され、2年間現代教育課題について研究。30年徳島県教職員団体連合会事務局長として教職員団体専従キャリアを開始。令和元年全日本教職員連盟(全日教連)事務局次長として東京出向。事務局長、副委員長を歴任し、4年より現職。


2023年7月1日 発行/ 8 月号

特集 悲愁を越えて

バックナンバーについて

致知バックナンバー

バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます

過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。

定期購読のお申込み

『致知』は書店ではお求めになれません。

電話でのお申込み

03-3796-2111 (代表)

受付時間 : 9:00~17:30(平日)

お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード

FAXでのお申込み

03-3796-2108

お支払い方法 : 振込用紙払い

閉じる