4 月号ピックアップ記事 /第一線で活躍する女性
一行の言葉が行動を変え人生を変える ワタナベ薫(WJプロダクツ代表)
毎号分野を問わず、人生を真剣に生き、一隅を照らしている女性にフォーカスしている人気連載「第一線で活躍する女性」。創刊当初より読者の皆様からの高い人気を得ている人気連載です。今月は、フォロワー数約八万人の人気ブロガーであり、ご著書は累計百万部を突破されるなど、多方面でご活躍されているワタナベ薫さんにご登場いただきました。
たった一行でもいい、今度は私が言葉を通して誰かの人生の一助となれるよう、真心を込めてたくさんの言葉を届けていきたい
ワタナベ薫
WJプロダクツ代表
30代に入って間もなく離婚。貯金はないのに借金があり、仕事も人間関係もうまくいかず「何が楽しくて生きているのだろう」と繰り返し考えてしまう日が三年ほど続いた時期がありました。
そんな時に偶然立ち寄った古本屋で、デール・カーネギーの『道は開ける』が目に止まり、棚から抜き取って開いたら、一行目に、
「今日、一日の区切りで生きよ」
と書いてあって、その言葉に強く胸を打たれました。
当時はストレスが原因で子宮内膜症になってしまい、激痛に耐えながらの生活で心身共にボロボロ……そんな状態でこの言葉に出合って「10年生きるのは辛いけど、今日一日くらいなら生きられる」と思えて、その瞬間フッと肩の力が抜けて心が軽くなったんです。
未来ではなく「いま」にフォーカスすると、悩みも苦しみも不安も恐怖もなくなります。そこからきょうだけ生き切ろう、いまに集中しようとひたすら自分に言い聞かせて実践したことでどん底から抜け出すことができました。たった一行の言葉が人生を変えるとはこの時の実感です。
カーネギーの言葉は一生の宝物で、その後も仕事が立て込んだ時や辛い時などには何度も口にして助けられています。
プロフィール
ワタナベ薫
わたなべ・かおる―1967年生まれ。2006年にブログ「美人になる方法」を開設。2010年WJプロダクツを設立し、代表取締役に就任。著書に『女は年を重ねるほど自由になる』(大和書房)『凜として生きるための100の言葉』(KADOKAWA)など多数。
編集後記
「16年間、1日も休まずブログを書いている女性がいる。ブログは毎日午前零時以降に更新されるにも拘らず、それを心待ちにしているファンがたくさんいる」
この言葉から、ワタナベさんの言葉の魅力を知りたいと思い、この度弊誌にご登場いただきました。取材では終始パワフルで大変元気をいただいたことをよく覚えています。最後に、ワタナベさんのエネルギーの秘訣を尋ねたところ、とても印象深い言葉をいただきました。
「無理に前向きになろうとすると却って辛くなるので、後ろ向きでもいい、ダメなところがあっていい、苦しいことがあっていいと思っています。大切なのはそれらをまず受け入れること。そして、そこから学べること、教訓は何かと考えてみるとその経験は必ず宝に変わります」
いまの自分をまず受け入れるという姿勢や心掛けが、ワタナベさんの言葉の魅力に繋がっているのかもしれません。
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