4 月号ピックアップ記事 /インタビュー
数え100歳、生涯現役を生きる 千 玄室(茶道裏千家第15代・前家元)
茶道裏千家前家元の千 玄室氏は今年数えで100歳を迎えられた。70年以上、国内外で茶道の普及を続けるその精進努力には、いささかの衰えもない。その根底にあるのは、日本の未来のために身を捧げ沖縄の海で散華していった戦友たちの思いである。数多くの人生の山坂を乗り越えてこられた氏に、いまの心境と共に、これまでの歩みを語っていただいた。
泥沼の中にいても、頑張ってそこで足踏みを続けていたら、いつの間にか固まっていくのです。それが自分をつくっていく足場になる
千 玄室
茶道裏千家第15代・前家元
自分の働く場、家族を養っていける場を自分自身が固めていくことです。泥沼の中にただいたら沈んでいきますよ。
けれども、頑張ってそこで足踏みを続けていたら、それがいつの間にか固まっていくのです。それが自分をつくっていく足場になる。
プロフィール
千 玄室
せん・げんしつ―大正12年京都府生まれ。昭和21年同志社大学法学部卒業後、米・ハワイ大学で修学。39年千利休居士15代家元を継承。平成14年長男に家元を譲座し、千玄室大宗匠を名乗る。文学博士、哲学博士。主な役職に外務省参与、ユネスコ親善大使、日本・国連親善大使、公益財団法人日本国際連合協会会長。文化勲章、レジオン・ドヌール・勲章オフィシエ、レジオン・ドヌール勲章コマンドール(フランス)、大功労十字章(ドイツ)、独立勲章第一級(UAE)等を受章。
編集後記
茶道裏千家第15代・前家元の千玄室さんは、数え100歳。挙措動作はいささかの衰えもなく、朝4時に起床した後の7分間の海軍体操、1時間の坐禅、朝食、それから書き物という日課は以前と全く変わりがないそうです。本誌連載の「巻頭の言葉」の直筆原稿もそういう中から生まれたものです。戦争体験や開拓そのものの茶道の海外普及など山また山の100年の人生、そこで貫いてきた思いを語っていただきました。
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