7 月号ピックアップ記事 /エッセイ
国語力が子供たちの人生の土台をつくる ~東京いずみ幼稚園の挑戦~ 小泉敏男(東京いずみ幼稚園園長)

3歳、4歳の子供たちが大人でも難しい古文・漢文をすらすらと読んでしまうという驚きの幼稚園がある。小泉敏男氏が47年前に創立した「東京いずみ幼稚園」(東京都足立区)だ。試行錯誤の中から創り上げた独自の教育カリキュラムで、子供たちの能力をぐんぐん引き出し伸ばしてきた小泉氏に、これまでの歩みを辿っていただきながら、教育者としての思い、これから求められる幼児教育のあり方について語っていただいた。

常に自分を磨き、「新鮮な感覚」を持ち続けるためには、新しい知見のインプットに留まらず、やはり長い間脈々と読み継がれてきた古典の学びが必要なのだと思います
小泉敏男
東京いずみ幼稚園園長
教育は「これをやればどんな子も成長する」という再現性が大切ですが、子供は誰一人として同じ人間はいません。そのため、毎日の実践は同じようなことを繰り返しやっていても、とても新鮮なものです。それは実践する教育者も同じです。教育者として一番怖いのは、この「新鮮な感覚」を失い「錆つく」こと。感覚が錆つくと、子供の変化や成長に気づけなくなってしまいます
プロフィール
小泉敏男
こいずみ・としお――昭和27年東京都生まれ。小学4年生から中学3年生までを対象として運営していた小泉補習塾を経て、51年父・小泉孝義と共にいずみ幼稚園を創設、副園長に就任。石井式漢字教育、ミュージックステップ音感教育などの導入、屋内温水プールの設置など、当時としては画期的なプログラムを次々と導入。平成7年に園長に就任。16年には第13回音楽教育振興賞を幼児教育界で初めて受賞。著書に『東京いずみ幼稚園式 美しい日本語が、心の強い子を育てる』(宝島社)がある。
編集後記
大人でも難しい古文・漢文を3歳〜6歳の子供たちがすらすらと読んでしまう幼稚園が東京都足立区にあります。東京いずみ幼稚園。同園を一から創り上げてきた小泉敏男さんの実践から、子供たちが持つ無限の可能性、国語力が人生に与える影響の大きさを感じ取りました。

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