12 月号ピックアップ記事 /インタビュー
いまを生きよ いまを生き切れ 田坂広志(多摩大学大学院名誉教授/田坂塾 塾長)
世界はいま、コロナ危機という死中にある。出口の見出し難いこの長いトンネルを、私たちはいかに歩んでいけばよいのだろうか。豊富な経営体験にもとづき、より良い人生や仕事を全うするための心の技法を唱導する田坂広志氏に、若き日の大病の体験を交え、この死中に活を見出すために求められる覚悟についてお話しいただいた。
どれほどの危機も逆境も、我々の覚悟次第で、好機に転じることができるのです
田坂広志
多摩大学大学院名誉教授/田坂塾 塾長
世に「病とは福音なり」という言葉がありますが、病気になることは一見不運なことのようで、実は幸運の兆しでもあるという、人生の深い真理を教える言葉です。
私の人生は、まさに、この言葉が真実であることを教えてくれています。いや、それは、私だけではない。我々が、この言葉を信じて歩むならば、人生で与えられる逆境とは、実は成長の機会であり、危機とは、実は好機なのです。
いま、世界はコロナ禍という死中にあります。そして、この未曽有の危機と逆境の中で、多くの経営者が悪戦苦闘を余儀なくされ、多くの人々が、心理的不安と経済的苦境の中にあります。
しかし、私の体験から申し上げるならば、どれほどの危機も逆境も、我々の覚悟次第で、好機に転じることができるのです。死中に活を見出すことができるのです。
プロフィール
田坂広志
たさか・ひろしーー昭和26年生まれ。56年東京大学大学院修了。工学博士。民間企業、米国シンクタンクを経て、平成2年日本総合研究所設立に参画。12年多摩大学大学院教授に就任。23年内閣官房参与に就任。25年全国から7千名の経営者が集う田坂塾を開塾。著書90冊余、近著に『すべては導かれている』(小学館)『運気を磨く』『運気を引き寄せるリーダー 七つの心得』『人間を磨く』(いずれも光文社新書)など。
編集後記
コロナ危機に沈む社会をどう生きるか。多摩大学大学院名誉教授の田坂広志さんに、
逆境に処する五つの覚悟を交えてお話しいただきました。原点となった若き日の闘病体験には、心打たれずにはおられません。
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