誇りある国をどう創るのか──国家百年の計を考える 櫻井よしこ(国家基本問題研究所理事長) 先崎彰容(日本大学危機管理学部教授)

国際情勢が激動する中、日本は安全保障をはじめ文字通り危機の最中にあることは事実である。その日本がこれからどのようにして活路を見出すべきなのか。岸田新政権は果たしてこの危機を乗り越えることができるのか。国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこ氏、日本大学危機管理学部教授の先崎彰容氏に語り合っていただいた。そこから浮かび上がるのは、他ならぬ日本人の意識こそが最大の危機という厳しい現実である。

国の根幹を支えるのは国民でしかあり得ない。国民が立派な日本人である以外、国を支える力はないのです。立派な日本人は国防についても責任を持つ人たちです

櫻井よしこ
国家基本問題研究所理事長

日本文化の根幹をなすのは、「十七条憲法」から「五箇条の御誓文」に繋がる、1,000年以上の歳月をかけて培われた日本の国柄だと思っています。「五箇条の御誓文」は「広く会議を興し、万機公論に決すべし」の第一条に始まり「智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし」の第五条まで、いまふうに言うと開かれた民主主義の原理です。国際社会のいいところを全部取り入れるけれども、根本である皇室を中心とした国柄は盛り立てていくという、とても開明的でありながら自国を大事にしている価値観なんですね。

戦後の基本的な思想の矛盾は、権力を悪と位置づけて政治の世界を論じてきたことです。しかし、政治というものの役割は権力を正しく運用することにあるはずです

先崎彰容
日本大学危機管理学部教授

いまの給付金の遅れに関して岸田さんは著書でデジタル化の遅れが原因だったと書かれています。だけど、本質はそうではない。日本人のマインドの遅れなんです。私権制限をするのは国家権力の悪用だという権力VS市民という二項対立の構図、権力を叩きさえすれば済むという考え方がメディアを中心にいまなお続いていることこそが問題の本質なんです。

プロフィール

櫻井よしこ

さくらい・よしこ――ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリスト。平成19年「国家基本問題研究所」を設立し、理事長に就任。23年日本再生に向けた精力的な言論活動が評価され、第26回正論大賞受賞。24年インターネット配信の「言論テレビ」創設、若い世代への情報発信に取り組む。著書多数。最新刊に『亡国の危機』(新潮社)がある。 

先崎彰容

せんざき・あきなか――昭和50年東京都生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東北大学大学院博士課程を修了、フランス社会科学高等研究院に留学。現在、日本大学危機管理学部教授。専門は日本思想史。著書に『国家の尊厳』『未完の西郷隆盛』『違和感の正体』『バッシング論』(いずれも新潮社)『ナショナリズムの復権』(ちくま書房)など。


編集後記

去る10月、岸田政権が誕生しました。国際情勢が激変する中、日本はどこに向かって舵を切っていったらよいのか。目指すべき国家ビジョンはどのようなものなのか。国家基本問題研究所理事長の櫻井よしこさんと、日本大学危機管理学部教授の先崎彰容さんの対談を通して、戦後、日本人の発想と行動を縛りつけてきた問題の本質が浮き彫りになります。

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