12 月号ピックアップ連載/百年企業はどこが違うのか
創業121年 ホッピービバレッジ 石渡美奈(ホッピービバレッジ社長)藤間秋男(TOMAコンサルタンツグループ会長)

世代を超えて多くの人々に親しまれているビアテイストの発酵飲料・ホッピー。かつて売れ行きが低迷していたこのユニークな看板商品に新しい命を吹き込み、運営会社のホッピービバレッジに飛躍をもたらしたのが三代目社長の石渡美奈氏である。同社121年の歴史と自身の取り組みを伺った。

受け継いだ暖簾と社員の生活を守ることが私の使命ですが、私自身が幸せでなければお客様や社員を幸せにすることはできません
石渡美奈
ホッピービバレッジ社長
〈藤間〉
石渡社長は、本連載で初めてご登場いただく女性社長になります。この頃は経営で活躍する女性が随分増えてきて、当社とお付き合いのある百年企業の女性社長さんも立派な実績を上げていらっしゃいます。少子化の時代だし、今後はますます増えていくでしょうね。
〈石渡〉
男性か女性かは関係なくて、後を継げるだけの器と気持ちが揃っている方がやるのがきっと自然だと思います。当社もいずれ次の代のことを考えなければなりませんけど、長寿企業大国の日本には参考になる事例がたくさんあってとても勉強になりますね。いずれにしても、継ぎたいと思ってもらえるような会社にしておくことが大事かなと考えています。
〈藤間〉
石渡社長はどういう経緯で後を継がれたのですか。
〈石渡〉
私は一人っ子ですので、物心ついた頃から、自分は後継ぎになる立場だなって勝手に認識していました。けれども、1968年生まれの私が社会人になった頃は、まだまだ女性が社会の第一線で活躍する時代ではありませんでしたので、女である自分が継ぐという発想には至りませんでした。おまけに私が学んだ中学・高校はいわゆるお嬢様学校で、とうてい自分が後継者とは見なされない状況だったんです。
それで大学を出て、いったんOLをしていたんですけど、上司から「あなたはお父さんの背中を見て育っていますね」と言われたことがありました。私の立ち居振る舞いをご覧になって、大人しく組織の枠の中に収まるような人間には見えなかったようなんです。
〈藤間〉
結果的に、その上司のおっしゃる通りになったわけですね。
〈石渡〉
ただ、……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇「おまえがここまでやってくれるとは」
◇10歳で商売を始めた創業者
◇技術を結集してつくり上げたホッピー
◇愚直に、公明正大に、情熱を持って挑む
◇8億円の売上高を42億円に拡大
◇北極星を目指して

〈ホスト〉
藤間秋男(とうま・あきお)
TOMAコンサルタンツグループ会長
昭和27年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士税理士。明治23年創業の藤間司法書士事務所の末裔として、昭和57年藤間公認会計士税理士事務所を新規創業。230名の総合コンサルファームにTOMAグループを成長させ、平成29年より会長。著書に『中小企業の事業承継はじめに読む本』(すばる舎)『100年残したい日本の会社』(扶桑社)など多数。
プロフィール
石渡美奈
いしわたり・みな――昭和43年東京都生まれ。平成2年立教大学卒業後、大手食品メーカー入社、人事部に勤務。広告代理店のアルバイトを経て、9年ホッピービバレッジ入社。15年副社長、22年社長に就任。著書に『技術は真似できても、育てた社員は真似できない』(総合法令出版)など。
編集後記
事業承継コンサルタントとして百年続く企業づくりに取り組む藤間秋男氏が、百年企業の強さの秘密を探る本連載。第12回となる今回は、酒屋の赤提灯が印象的な「ホッピー」をはじめ、サワーやビールなども手掛けるホッピービバレッジの三代目・石渡美奈社長にご登場いただきました。看板娘として当社のPRを担うイメージそのままに、元気溌剌とされたお姿が印象的でした。

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