11 月号ピックアップ記事 /私の座右銘
赤誠通天 高橋泰行(ピエトロ社長)
各界を代表する企業、機関、団体を牽引してきたリーダーに、人生観・仕事観を形成した体験や、トップとして貫いてきた信条を披歴いただく連載「私の座右銘」。今回ご登場いただいたのは、全国に熱烈なファンを持つ「ピエトロドレッシング」を製造・販売するピエトロ(福岡県)の高橋泰行社長です。
一軒の洋麺店を県内外に名を轟かせる一部上場企業へと育てたカリスマ創業者・村田邦彦さんが急逝したのは、2017年。急遽その後を継いだ人物こそ、畑違いの航空会社から創業者に引き抜かれ、長く伴走してきた高橋さんでした。カリスマ不在の有名企業をどのように盛り立て、そしていま、走り続けているのか――。
「赤誠通天(せきせいつうてん)」――。
弱い自分にはただの誠では足りない。ひたすら真心を以て物事に接しようと決意し、仕事に勤しんできたつもりです
高橋泰行
ピエトロ社長
〝はじまりは、一軒のレストラン〟
私が社長を引き継いだピエトロの創業者・村田邦彦が終生大切にした出発点です。
当社は現在、パスタ料理を主軸とするレストランを中心に全国約40店を展開し、発売から42年を迎える主力商品「ピエトロドレッシング 和風しょうゆ」は、おかげさまで累計出荷本数が3億本を突破しました。
すべての原点は、1980年12月9日の開店に遡ります。飲食業を営む家に生まれた村田は、ホテルなどで料理の修業を積み、20代前半で父親の店を継ぎました。ところが5年も経たず閉店に追い込まれ、膨大な借金を背負い家も売り払います。
失意の中始めたサラリーマン生活が11年目を迎えた頃、東京の名店「壁の穴」で斬新なパスタに衝撃を受け、再挑戦を決意。39歳で脱サラし、福岡市に「洋麺屋ピエトロ」を開くのです。
全日本空輸(ANA)大阪支店で営業企画を手掛け、順調に歩んでいた私が当社との縁を得たのは1999年のことです。自己研鑽の一環で、月一回社外の人に会うことを己に課していたのですが、ある時意気投合した福岡の女性経営者が、上場準備中だった村田と引き合わせてくれたのです。
・
・
・
プロフィール
高橋泰行
たかはし・やすゆき――昭和39年東京都生まれ。東京外国語大学卒業後、全日本空輸(ANA)入社。平成11年ピエトロに入社し、創業者・村田邦彦氏の秘書となる。20年以降、食品事業や通信販売事業の役員を歴任。29年4月1日付で専務、創業者の急逝に伴い同月14日付で社長に就任。
編集後記
この春、主力商品「ピエトロドレッシング 和風しょうゆ」が累計出荷本数3億本を突破するなど、祖業のレストランを軸に愛され続ける同社。高橋社長が予期せぬ社長交代をいかに受け止め、歩んできたか。経営者のみならず、後継の立場にある方々の指針となれば幸いです。
特集
ピックアップ記事
-
対談
人生を幸福に生きる知恵——「ヨブよ、腰に帯して立ち上がれ」
前田万葉(ローマ教皇庁枢機卿)
鈴木秀子(文学博士)
-
インタビュー
学問せよ 団結せよ 闘争せよ
佐々井秀嶺(インド仏教最高指導者)
-
対談
幸福な生き方と死に方
帯津良一(帯津三敬病院名誉院長)
小澤竹俊(めぐみ在宅クリニック院長)
-
エッセイ
脳科学が明らかにした「誰もが幸せになれる法則」
岩崎一郎 (脳科学者)
-
インタビュー
「タイヨーの奇跡」はこうして実現した
清川照美(タイヨー副社長)
-
インタビュー
がん闘病が教えてくれた私の幸福の条件
池田雅之(早稲田大学名誉教授)
-
インタビュー
自分の中にあるインクを出し切る
岩田 稔(阪神タイガース コミュニティアンバサダー)
-
対談
企業繁栄への道——幸福の創造を求めて
青谷洋治(坂東太郎会長)
徳満義弘(南薩食鳥社長)
-
対談
幸福な国・日本をいかに実現するか
小堀桂一郎(東京大学名誉教授)
田久保忠衛(杏林大学名誉教授)
好評連載
ピックアップ連載
バックナンバーについて
バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます
過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。
定期購読のお申込み
『致知』は書店ではお求めになれません。
電話でのお申込み
03-3796-2111 (代表)
受付時間 : 9:00~17:30(平日)
お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード