11 月号ピックアップ記事 /エッセイ
脳科学が明らかにした「誰もが幸せになれる法則」 岩崎一郎 (脳科学者)
科学の進歩は、人間の可能性を大きく開いていく。幸福を実現する道について、最新の脳科学が示唆するものは何だろうか。「脳磨き」を提唱する岩崎一郎氏が説く、幸せになるための脳の使い方、鍛え方とは──。
脳磨きは、身近な人との信頼関係を深めて心を一つにし、幸福を実現する道でもあるのです
岩崎一郎
脳科学者
(ビジネスパートナーでもある奥様のクレア真由美さんと)
〈岩崎〉
歯磨きを毎日行うのと同じように、脳を鍛えることを日々の生活習慣にして、幸せな人生を歩む方を増やしたい。私が脳科学者として、そうした願いを込めて提唱しているのが「脳磨き」です。
脳は860億個の脳細胞と、それらを繋ぐ膨大な神経繊維からできています。すべての神経繊維を繋ぎ合わせた長さは約50万キロメートル。地球と月を繋いで、さらに地球を3周できる長さです。かくも膨大な脳細胞と神経繊維が脳の中に詰まっているのです。
そして脳が最も活性化するのは、この脳内の膨大なネットワークが協調的にスムーズに働いている時であり、それは幸せを感じている時の脳の状態でもあることが、米国ウィスコンシン大学の研究で明らかになっています。
ところが残念なことに、普段私たちの脳のネットワークは部分的にしか使われておらず、幸せな脳の状態の100分の1~500分の1程度しか活性化していません。
脳が最大限に活性化し、幸せを感じている状態にしていくには……(続きは本誌にて)
プロフィール
岩崎一郎
いわさき・いちろう――昭和36年神奈川県生まれ。京都大学卒業、京都大学大学院修士課程修了後、米国ウィスコンシン大学医学部大学院で博士号(Ph.D.)取得。旧通産省の主任研究官、ノースウェスタン大学医学部脳神経科学研究所の助教授を歴任。平成18年国際コミュニケーション・トレーニング創業。現在までに200社以上で企業研修を実施。著書に『なぜ稲盛和夫の経営哲学は、人を動かすのか?』(クロスメディア・パブリッシング)『科学的に幸せになれる脳磨き』(サンマーク出版)など。
編集後記
人間不信の克服という体験を踏まえて「脳磨き」を確立した脳科学者の岩崎一郎さん。6つの実践法や共同体思考など、自己向上や組織活性化に生かせるヒントをたくさんご教示いただきました。取材には奥様も立ち会われ、お二人の仲睦まじい様子がとても印象的でした。
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