やりたいことにとことんのめり込め 山本征治(日本料理・龍吟代表)

妥協を許さない仕事ぶりで食通を唸らせる料理人・山本征治氏。氏の経営する「日本料理・龍吟」は、国内はもとより、海外からも高い支持を集めている。本物を求めて疾走を続けた若き日々を振り返っていただき、日本料理への思いをお話しいただいた。

何事もどんな意識で臨むか、どこまで真剣な覚悟を持って取り組むかが大事です

山本征治
日本料理・龍吟代表

学校を出て入った調理場では、扱う素材から調理法まで何もかもがもの足りませんでした。

なぜこんなレベルに甘んじているんだろう。どうせなら日本一の料理人の下で働きたい。そう熱望する中、ある店主の本に衝撃を受け、その方のお店の門を叩いたのが平成5年、23歳の時でした。

そこは各界の名士が全国から訪れる名店で、素材の扱いから調理の仕方まですべてが超一流でした。何より惹かれたのが師匠の料理に対する真剣な姿勢で、料理が好きなことにかけては誰にも負けない、と自負していた自分も負けを認めざるを得ませんでした。

私は師匠から直接叱られた時だけでなく、他の誰かに対する言葉や叱責もすべて自分に向けられたものと受け止め、真剣に耳を傾けました。同時に、先輩や同僚の至らないところも学びの材料にして、懸命に自分を高める努力を重ねました。

若いうちに基本となる技術や知識をしっかり身につけておかなければ、将来何の武器も持たずに人の上に立たなければならなくなります。そしてその技術や知識は、後輩に教えられるほど習熟していなければ本物とはいえません。

プロフィール

山本征治

やまもと・せいじ――昭和45年香川県生まれ。平成5年四国の料亭に弟子入り。15年東京・六本木に「日本料理・龍吟」を開店。16年スペインの世界料理学会に日本代表として出場。23年以降ミシュラン三ツ星に11年連続選出。25年「アジア50ベストレストラン」第2位、「ワールド50ベストレストラン」に4年連続入賞。30年東京ミッドタウン日比谷に「日本料理・龍吟」をリニューアルオープン。令和元年『La Liste 2020』にて「日本料理・龍吟」が世界第1位に。


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