ハガキ道に生きる 坂田道信(ハガキ道伝道者)

去る3月14日、ハガキ道伝道者・坂田道信氏がお亡くなりになった。ハガキを書くという日常のありふれた営みを、道にまで高めた坂田氏。森信三師のご紹介で1987年2月号にご登場いただいて以来、誌面を通じて語り続けていただいたその生き方は、まさしく本誌が追求する人間学の本道を行くものといえる。弊社開催の講演会にて、独特の名調子に乗せ披露された唯一無二のお話は、そのまま坂田氏の〝わが人生の詩〟であるように思える。その声に、改めて心耳を澄ませたい。


1枚のハガキが相手のところに届くことによって、新しい運命が開けてくる。そこが大事なところなんだよなぁ

坂田道信
ハガキ道伝道者

その人の実力は友達の数である。

50年以上書き続けてきたハガキが、私にそう教えてくれました。

みんな才能が大事じゃと思うとるんだよな。だけど私の人生を支えてくれたものは友達の数です。

算数ができなくてもいい。国語ができなくてもいい。できる人と友達になればいいんだよ。努力も必要だがね、その道の達人を友達にすればいいんです。そして友達づくりの一番の秘訣が、ハガキなんです。

ハガキを1日30枚書いたら、国会議員は選挙運動をしなくても通るし、新興宗教なら教祖が務まるといいます。私はこれまで、お店をやっている人にもたくさん会ってきましたがね、大体1000枚の年賀状を書く人はそこそこうまくいっとるんです。

プロフィール

坂田道信

さかた・みちのぶ――昭和15年広島県生まれ。県立向原高校を卒業し、農業の傍ら大工見習いとなる。46年森信三師と出会い複写ハガキを始める。ハガキによるネットワークを確立し、講演などで全国を飛び回る一方、食への関心を深め、自宅を開放した半断食、坐禅断食の会や料理教室を開催。令和5年逝去。著書に『ハガキ道に生きる』『この道を行く』(共に致知出版社)などがある。


編集後記

3月にお亡くなりになったハガキ道伝道者・坂田道信さんを偲び、過去に弊社で行われた講演会の模様をご紹介しました。参加者の前で正座をして、ユーモラスに、独特の語り口で、自身の人生を一変させたハガキの素晴らしさを説いた坂田さん。在りし日の温顔が目に浮かぶようです。

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