1 月号ピックアップ記事 /エッセイ
勝ち続けるチームのつくり方 【帝京大学ラグビー部V10への軌跡】 岩出雅之(帝京大学スポーツ局局長)

圧倒的な強さで史上初となる大学選手権9連覇の偉業を達成した帝京大学ラグビー部。しかし連覇が途切れ、2021年度に再び王座を奪還するまでの4年間、日本一から遠ざかる試練の時を経験した。帝京大学ラグビー部を育て上げてきた岩出雅之氏に、4年間の苦闘の歩みを振り返っていただきながら、常勝集団をつくる秘訣、指導者の条件をお話しいただいた。

指導者が学び変わることをやめてしまえば、組織の発展もそこで止まってしまいます
岩出雅之
帝京大学スポーツ局局長
2022年1月9日、東京・国立競技場で開催された全国大学ラグビー選手権決勝―。
私が監督(当時)を務める帝京大学ラグビー部は、27対14で強豪・明治大学を破り、4年ぶり10回目の学生日本一を達成することができました。V10に至る4年間は、新たな挑戦も含め試行錯誤の連続でした。それらを乗り越えての優勝だっただけに、連覇していた頃とは違った達成感がありました。
2009年度から2017年度まで、帝京大学ラグビー部は史上初の大学選手権9連覇を記録していました。しかし、2018年度に連覇が止まり、2020年度まで日本一から遠ざかっていたのです。
なぜ〝常勝集団〟と言われた帝京大学ラグビー部はトップの座から陥落したのか。またそこからいかにチームを立て直し、再び日本一を掴むことができたのか。
そのプロセスには、スポーツのみならず、ビジネスや様々な組織づくり、人材育成に生かせる教訓が数多くあると感じています。
プロフィール
岩出雅之
いわで・まさゆき―昭和33年和歌山県生まれ。和歌山県立新宮高等学校を経て、55年日本体育大学体育学部卒業。滋賀県の教育委員会、中学校、高校勤務を経て、平成元年滋賀県立八幡工業高等学校へ赴任。8年帝京大学ラグビー部監督に就任。22年創部40周年にして初の全国大学選手権優勝。以来、同選手権では優勝を続け、史上初の9連覇を果たした(30年まで)。令和4年1月の全国大学選手権で優勝し、前人未到のV10を達成。同年監督を勇退、現在は帝京大学スポーツ局 局長を務める。著書に『常勝集団のプリンシプル』『逆境を楽しむ力』(共に日経BP社)などがある。
編集後記
帝京大学ラグビー部を大学選手権9連覇に導き、その後不振の4年間を乗り越えて今年1月に奪還、V10を達成した岩出雅之さん。最新の組織論、心理学なども取り入れた緻密なチームづくり、Z世代との向き合い方は、あらゆる業界の役職者、指導者にとって参考になるでしょう。

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