よき言葉の種を播こう ——国語の力を取り戻すために 本間一誠(メディア報道研究政策センター理事)

日本人の国語力の低下が叫ばれて久しい。元高校教師でメディア報道研究政策センター理事の本間一誠氏は、早くからこの現実に警鐘を鳴らしてきた。日本語が直面する現実と今後について、教師としての体験を盛り込みながら論述いただいた。

「私たちはある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは国語である」というエミール・シオランの言葉の深い意味を我われは何度でも考えるべきです

本間一誠
メディア報道研究政策センター理事

 国語・言葉の劣化の根本原因は、いずれの国や民族にあっても普遍的な国語愛護の精神が、日本にだけは不在という異常な事態からきています。
「私たちはある国に住むのではない。ある国語に住むのだ。祖国とは国語である」というエミール・シオランの言葉の深い意味を我われは何度でも考えるべきです。国語の愛護は国防の核心中の核心なのです。

プロフィール

本間一誠

ほんま・いっせい――昭和20年東京都生まれ。皇學館大学文学部国文科卒。鹿児島県、千葉県の県立高校に国語教師として勤務の後、平成元年に三重県の私立高校に転じる。23年から28年にかけて雑誌『正論』に「一筆啓誅 NHK殿」を連載し、現在、社団法人メディア報道研究政策センター理事。


編集後記

長年、高校教師を務めながら日本人の国語力の劣化に警鐘を鳴らしてきた本間一誠さん。東京オリンピック・パラリンピックで示された劣化の現状に、危機感を覚えずにはおれません。

2021年8月1日 発行/ 9 月号

特集 言葉は力

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