医は仁術なり ~ 感染症と闘った男 緒方洪庵の生き方に学ぶ 松永和浩(大阪大学適塾記念センター准教授)

天然痘やコレラなど、幕末の日本で猛威を振るう感染症と闘い、医学史上に不朽の業績を残した蘭医学者・緒方洪庵。また、洪庵が主宰する「適塾」は、福沢諭吉や橋本左内など近代日本を代表する人材が数多く輩出した。医師として、教育者として、世のため人のために尽くしたその生涯と功績を、大阪大学適塾記念センター准教授の松永和浩氏に紐解いていただいた。

医は仁術である——緒方洪庵はその思いで目の前の人々、苦難に一つひとつ向き合い対処していった結果、洪庵は後世に残る偉業を為したのです

松永和浩
大阪大学適塾記念センター准教授

 歴史を紐解けば、これまで人類は幾度となく苦難に直面し、乗り越えてきたことが分かります。人間には目の前の苦難を克服し、よりよく生きようとする本性が備わっているはずです。いま世界中がコロナ禍という苦難に直面していますが、いまこそ洪庵の生き方に学び、一人ひとりが自分のいる場で、世のため、人のために持てる力を発揮していくことが求められているのではないでしょうか。

緒方洪庵(おがた・こうあん)―文化7(1810)年~文久3(1863)年。江戸後期の蘭学者・医者・教育者。備中(現・岡山県)の生まれ。大坂・江戸・長崎で医学を学び、医業の傍ら適塾を開いて青年を教育。種痘の普及にも尽力し、日本における西洋医学の基礎を築いた。

プロフィール

松永和浩

まつなが・かずひろ―昭和53年熊本県生まれ。平成9年熊本高校卒業、大阪大学文学部入学。20年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。22年大阪大学総合学術博物館助教、27年大阪大学適塾記念センター准教授。著書に『室町期公武関係と南北朝内乱』など。


編集後記

江戸時代後期、天然痘やコレラなどの感染症と闘った蘭医学者・緒方洪庵。大阪大学適塾記念センター准教授の松永和浩さんが紐解く洪庵の生涯から、世のため人のために尽くすことの大切さを教えられます。

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