7 月号ピックアップ記事 /インタビュー
ピンチはチャンス 最高をイメージして這い上がれ! 野田一江(箕面自由学園高等学校 チアリーダー部監督)

チアリーディングの甲子園といわれるジャパンカップで9連覇、合計30回以上もの全国制覇を果たしてきた箕面自由学園高等学校チアリーダー部。チーム創設時から指導に携わってきた野田一江氏は、チアリーディング未経験の音楽教師だったという。全国屈指の強豪校を育て上げてきた指導哲学を、新型コロナウイルスの蔓延という危機下での取り組みも含めて伺った。

卒業後は社会に立派に貢献できる人間になってほしい。「高校の3年間、私はチアリーディングを頑張ってきたんだ」というプライドを胸に、皆に愛され、豊かな人生を築いてほしいというのが私の願いなんです
野田一江
箕面自由学園高等学校 チアリーダー部監督
生徒には入部した日に「クラブ活動で活躍できるのは、あなたたちが偉いからじゃない」と言うんです。「ご両親が学校に入れてくれて、クラブ費を払ってくれて、支えてくれるからできるんだよ。だからきょう家に帰ったらご両親の前で正座して、箕面自由学園に入れていただき、クラブ活動をさせていただいてありがとうございますと頭を下げてきなさい」と。
その謙虚さがないとダメです。「うちは日本一のチームにおるねん」という感覚では、周りから絶対愛されません。「この子らを応援してよかったな」って、サポートしていただく方々に思ってもらえる人間でないとダメですね。
そうしたことも踏まえて、「うちのクラブは社会の予備校だよ」といつも言うんです。社会に出たら、縦の繋がりも横の繋がりも大切にして信頼関係を築いていかなくてはなりません。謙虚さも、自主性も、規律も要るし、ノルマもある。そういうすべてのものが、このクラブの中に集約されているんですよ。
プロフィール
野田一江
のだ・かずえ――大阪府生まれ。同志社女子大学学芸学部音楽学科卒業後、クラリネット奏者として活動。平成2年音楽の非常勤講師として箕面自由学園高等学校に着任。3年チアリーダー部創設に際し、“チア経験ゼロ”で指導を始める。ジャパンカップ9連覇を含む、全国優勝30回以上の常勝チームをつくり上げる。
編集後記
全国屈指の強豪チームを育て上げた箕面自由学園高校チアリーダー部監督の野田一江さんの執念に、胸が熱くなります。

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