7 月号ピックアップ記事 /対談
人生の試練が教えてくれたもの 長原和宣(ドリームジャパン社長) 小澤輝真(北洋建設社長)
覚醒剤中毒から立ち直った体験を基に、元受刑者の雇用や刑務所での講演活動に力を尽くすドリームジャパン社長の長原和宣氏。創業以来、五百人以上の元受刑者を雇用し、その多くを更生に導いてきた北洋建設社長の小澤輝真氏。元受刑者が出所後も当たり前に働き、自立できる社会を実現するという共通の志に燃えるお二人が語り合う、百折不撓の歩み、人生の試練を乗り越える中で見えたもの――。
大事なのはその人の心に寄り添うこと、本気、本音でものを言い合うことだと思っています
長原和宣
ドリームジャパン社長
とにかくどんな試練があっても、自分はいま未来に繋がる大事なことを天から教えてもらっているんだと受け止め、ありがたいという感謝の心で一つひとつ、一歩一歩乗り越えていく。自分にできることを精いっぱいやらせていただく。それがよりよい人生を創っていく大事な心の姿勢ではないかなと思います。
自分の花を大きく咲かせることが、結果として他人の花を咲かせることにも繋がるんです
小澤輝真
北洋建設社長
命が限られている中でいま伝えたいのは、誰もがこの世の中に必要な人間なのだから、皆自分をもっと大切にして、愛してほしいということ。自分を大切にして愛しているからこそ、他の人にも同じように愛情を注ぐことができるし、自分の花を大きく咲かせることが、結果として他人の花を咲かせることにも繋がるんです。
自分を大切にするから自分を諦めない、人のことも諦めない、人は必ず変わることができる。元受刑者の雇用を通じて、そういう人たちをたくさん見てきました。
プロフィール
長原和宣
ながはら・かずのり――昭和43年北海道帯広生まれ。高校中退後、61年陸上自衛隊入隊(平成2年夜学にて高校卒業)。除隊後、運送業に従事。その頃、覚醒剤中毒に陥るも克服し、平成13年に長原配送(現・ドリームジャパン)を創業。現在、事業経営と共に、一般社団法人ナガハラジャパンドリームを設立し、前科者の更生活動を全国で推進。就労支援を行う日本財団「職親プロジェクト」にも力を入れている。
小澤輝真
おざわ・てるまさ――昭和49年北海道札幌生まれ。創業者である父の死に伴い、18歳で北洋建設に入社。平成24年父と同じ難病「脊髄小脳変性症」を発症。放送大学教養学部、日本大学経済学部卒、放送大学大学院修士課程修了(犯罪者雇用学専攻)。受刑者雇用の実績が高く評価され、「東久邇宮文化褒賞」「東久邇宮記念賞」、法務省より「法務大臣感謝状」、札幌市より「安全で安心なまちづくり表彰」など受賞・表彰多数。
編集後記
共に元受刑者の就労支援に精力的に取り組んでいるドリームジャパン社長・長原和宣さんと、北海道の北洋建設社長・小澤輝真さん。倒産の危機、余命宣告、覚醒剤中毒……様々な逆境・試練をそれぞれ乗り越えてきた二人の実感の籠ったお話は、人間が生きていく上で最も大切なものは何かを教えてくれます。
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