こうして弱小チームは超人気チームになった 島田慎二(千葉ジェッツふなばし会長) 池田 純(埼玉ブロンコスオーナー)

片やプロバスケットボールチーム「千葉ジェッツふなばし」を優勝常連チームに成長させた島田慎二氏。片やプロ野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」を5年で黒字化させた池田 純氏。共に経営危機に陥っていたスポーツチームを短期間でV字回復させた二人に、その奇跡の歩みや成功の要諦、リーダー論などを縦横に語り合っていただいた。

リーダーの資質とは何かといえば、「覚悟」に尽きると思います。それも、普通の覚悟ではなくて、強烈な覚悟でなければなりません

島田慎二
千葉ジェッツふなばし会長

島田
 集客に力を入れたことで稼げるようになり、その資金力でよい選手やよい監督をチームに呼び、さらにチームが強くなる。するとファンが増えて……と好循環が回るようになりました。
 2016年に日本で二人目となるNBA(アメリカのプロバスケットボールリーグ)で選手契約を果たした富樫勇樹選手を迎え入れ、同年、観客動員数が前年比120%の4,500名で、Bリーグ48チーム中トップとなりました。そして2017年からは天皇杯三連覇。名実共に日本バスケ界でトップを収めることができたのです。経営についても、2012年から8期連続増収増益を果たすことができています。

池田
 その奇跡が起こった理由は何だと思われますか?

島田
 もちろん経営努力もありましたが、「運」が手伝ってくれたと思います。運とはエネルギーのことで、そのエネルギーの源はチームの一体感。球団を取り巻くステークホルダー、社員や選手、ファンや地域社会の方々など、千葉ジェッツを取り巻くすべての人々との一体感が運を呼び込み、大きな渦を巻き起こせたのです。

私はリーダーの条件は挑戦すること、変える力だと思っています

池田 純
埼玉ブロンコスオーナー

島田
 横浜DeNAベイスターズの初代球団社長に就任された時、チームはどんな状況でしたか?

池田
 2011年、35歳の時にベイスターズの社長に就任しましたが、球団の社長になった年齢はいまだに業界最年少らしいです。DeNAもベンチャーとして駆け出したばかりで、私自身も若かったこともあり、かなり風当たりがきつかったように思います。
「おまえみたいな若造に何が分かるんだ」「野球の素人には球団社長は務まらない」「お手並み拝見」など、散々言われました。

プロフィール

島田慎二

しまだ・しんじ――昭和45年新潟県生まれ。日本大学法学部卒業後、旅行代理店を経て、平成13年に海外出張専門の旅行会社を設立。21年リロ・ホールディングに全株式を売却し、コンサルティング会社リカオン設立。24年ASPE(現・千葉ジェッツふなばし)社長に就任。15年Bリーグ理事に就任。令和元年より現職。著書に『千葉ジェッツの奇跡』(KADOKAWA)『オフィスのゴミを拾わないといけない理由をあなたは部下にちゃんと説明できるか?』(アスコム)などがある。

池田 純

いけだ・じゅん――昭和51年北海道生まれ。早稲田大学商学部卒業後、住友商事、博報堂等を経て平成19年にDeNA入社。執行役員マーケティングコミュニケーション室長から、NTTドコモとDeNAとの合弁会社の社長を務めた。23年にプロ野球界史上最年少の35歳で横浜DeNAベイスターズ初代球団社長に就任。31年さいたまスポーツコミッション会長。令和2年より現職。著書に『空気のつくり方』(幻冬舎)『スポーツビジネスの教科書』(文藝春秋)などがある。


編集後記

バスケットボールと野球。競技こそ違えども共にチームを改革し、経営をⅤ字回復させてきたのが「千葉ジェッツふなばし」会長の島田慎二さんと「横浜DeNAベイスターズ」初代球団社長の池田純さんです。スポーツの垣根を越えた経営談義は危機を乗り越える上でのヒントに満ち、興味は尽きません。

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