どんな理不尽に直面しても、人生の主導権は自分で握る 村木厚子(全国社会福祉協議会 会長/元厚生労働事務次官)

厚生労働省の官僚としてキャリアを重ね、国家公務員の最高位職である事務次官まで勤め上げた村木厚子さん。現在は全国社会福祉協議会の会長を務め、生きづらさを抱える若者や女性の支援活動にも尽力している。村木さんの原点は、仕事と子育てに奔走した20代にあるという。その歩みを辿ることで、人生を切り開くヒントを探る。

たとえすぐに問題を解決できなくても、諦めずに扉をこじ開けていけば、いつかチャンスは巡って来る

村木厚子
全国社会福祉協議会 会長/元厚生労働事務次官

私の20代は、「模索」の10年間でした。挑戦を重ねながら、自分に何ができるのかを探る。そのプロセスで自分自身の得手不得手を自覚し、理解を深めた時間がいまの私に繋がっていると思います。

1955年、高知県で生まれました。幼少期の私は泣き虫で引っ込み思案。読書が好きで、一人で図書館に通い詰めては推理小説や図鑑を読み耽っていたものです。

人見知りを脱却するきっかけは、中学3年生から始めたアルバイトでした。実は中学2年生の頃、サラリーマンの父が失業。その後父は猛勉強し、40歳で社会保険労務士として独立しましたが、中高一貫の私立校に通っていた私は辞める覚悟をしていました。それでも、父は無理して学校に行かせてくれたので、せめて本代や文房具代は自分で稼ごうと決めました。

郵便局の年賀状仕分けに始まり、新聞社でのお茶汲み、食堂のウエートレス……。様々なアルバイトに励み、否が応でも人と接する中で、少しずつ自信がついていきました。アルバイトが社会に出る下準備になったのです。

高校卒業後は高知大学に進学しました。父への恩返しの第一歩として、自分で食べていけるようにずっと働き続けたいと考えていました。ところが、……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇引っ込み思案だった幼少期
◇お茶汲みからのスタート
◇現場を知ることで仕事を知る
◇2歳の長女を連れて地方赴任
◇何事も全力でやってみる

プロフィール

村木厚子

むらき・あつこ――昭和30年高知県生まれ。高知大学卒業後、53年労働省(現・厚生労働省)入省。平成21年郵便不正事件では偽装公文書作成容疑等で逮捕・起訴されるも、22年の裁判で無罪が確定し職場に復帰。25年厚生労働事務次官。27年退官。現在は全国社会福祉協議会の会長を務める。著書に『あきらめない』(日経BP社)など多数。


編集後記

取材は6月17日(水)、村木さんが会長を務める全国社会福祉協議会のオフィスにて行われました。女性が結婚・出産後も働き続けることが決して当たり前ではなかった時代に、結婚、出産、子育てと、様々なライフステージの変化に都度対応し、国家公務員として37年間勤め上げた村木さんの実践訓は、現代を生きる20代に多くの示唆を与えるでしょう。

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