自分の〝プリンシプル〟に忠実に生きる 奥野宣之(文筆家)

「日本は外面だけを見れば近代化に成功した。だが、精神性は江戸時代のほうが遥かによかった」

奥野宣之
文筆家

 物質的には劇的に豊かになった半面、精神が空っぽになっていく日本人。百年以上も前の時点で、渋沢はそれを察知していたのです。
 また、1915(大正4)年に出版された75歳の時の講話録『至誠と努力』にて、渋沢はどんなに忙しくとも、自分を訪ねてきた人には必ず会っていたと語っています。たとえ「お金を貸してください」と言われると分かっていても、それでも会う。かつて仕えた徳川慶喜公が、自分や相手の立場によって態度を変えない人物だったことも大きいでしょう。
 渋沢は生涯慶喜の部下として、そのような姿を人間としての理想、目指すべき正義、いわばプリンシプル(行動原理)に据え、努力を怠らなかったのだと思います。

プロフィール

奥野宣之

おくの・のぶゆき―昭和56年大阪府生まれ。同志社大学文学部卒業。出版社、新聞社勤務を経てライターとして独立。執筆、講演活動を行う。著書に『情報は1冊のノートにまとめなさい』(Nanaブックス)など。「いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ」(致知出版社)では『学問のすすめ』『論語と算盤〈上・下〉』の現代語訳を担当。


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