4 月号ピックアップ記事 /対談
天運を呼ぶ生き方 田口佳史(東洋思想研究家/イメージプラン社長) 西田文郎(サンリ会長/日本能力開発分析協会会長)
東洋思想に基づくリーダーシップ論の第一人者として知られる田口佳史氏と、日本におけるイメージトレーニング研究・指導のパイオニアである西田文郎氏。その手法は違えども、共に数多くの人財を育成してきたお二人の話には通底する部分が多い。運と徳の関係とはいかなるものか。そして、天運を呼ぶ生き方とは――。
『論語』に「徳は孤ならず、必ず隣有り」とありますけど、やっぱり人間は一人では生きていけない。他者の応援が必要です。それには徳を掛けること、つまりが自己の最善を他者に尽くし切ることが不可欠なんです
田口佳史
東洋思想研究家/イメージプラン社長
徳って何かということですが、私なりに東洋思想を学んで規定したのは、自己の最善を他者に尽くし切ることです。先ほど述べた道元のように、丁寧に心を込めて一人ひとりに接していけば、ありがとうと感謝され、自分が病に臥せたり仕事がうまくいかずに腐っていたりする時に、見返りなく手を差し伸べてくれる。そういう感謝の人間関係で結ばれた人が周囲に何人いますかと。
『論語』に「徳は孤ならず、必ず隣有り」とありますけど、やっぱり人間は一人では生きていけない。他者の応援が必要です。それには徳を掛けることが不可欠なんです。
天運とは先祖からいただいた究極の運のこと。ですから、天運は3代、4代先まで影響してくる。天運の7つの法則を学んで実践することが、自分の人生をよくすることのみならず、自分の子や孫を幸せにする道でもある
西田文郎
サンリ会長/日本能力開発分析協会会長
天運という言葉はすごいなとしみじみ思うんですね。運には種類があるじゃないですか。恋愛運とか仕事運とかギャンブル運。そういうものを超えた、先祖からいただいた挫けない運が天運だと思っているんです。運の中の究極の運と言ってもいいでしょう。
ですから、天運は3代、4代先まで影響してくる。先ほどお伝えした天運の7つの法則を学んで実践することが、自分の人生をよくすることのみならず、自分の子や孫を幸せにする道でもあるんです。
プロフィール
田口佳史
たぐち・よしふみ――昭和17年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、日本映画新社入社。47年イメージプランを創業。東洋倫理学、東洋リーダーシップ論の第一人者として知られる。著書に『人生に迷ったら「老子」』『横井小楠の人と思想』(ともに致知出版社)など多数。
西田文郎
にしだ・ふみお――昭和24年東京都生まれ。40年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、「スーパーブレイントレーニング」を構築。55年サンリ創業。経営者やビジネスマン、トップアスリートの能力開発指導に携わる。著書に『�1理論』『天運の法則』(ともに現代書林)など多数。
編集後記
なぜかくも話が噛み合うのか─思わずそう唸るほど、田口佳史さんと西田文郎さんには共通点が多くありました。その上、お二人は今回が初対面ですから、驚きを禁じ得ません。片や東洋思想の研究、片や脳の研究を40年以上にわたって続けてきた集大成とも言うべき運と徳の関係を余すところなく語り合っていただきました。
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