1 月号ピックアップ記事 /対談
日本の未来は国土強靭化にあり 大石久和(国土技術研究センター/国土政策研究所長) 藤井 聡(京都大学教授/内閣官房参与 )
いま日本は確実に亡国の道を辿っている――。そう警鐘を鳴らすのが、国土技術研究センター国土政策研究所長の大石久和氏と、京都大学教授で内閣参与の藤井聡氏である。ともにインフラ整備など国づくりの根幹を担う国土学の専門家であり、科学者であるお二人に、日本を待ち受ける恐るべき未来、そして日本を救うための国家百年の計を縦横に語っていただいた。
日本人一人ひとりが科学的精神を取り戻し、緊縮財政から積極財政へと転換する。インフラ投資などの国土強靭化にもしっかり取り組み、日本を経済成長させていかなくてはなりません
大石久和
国土技術研究センター/国土政策研究所長
哲学者の和辻哲郎が、戦後間もない1950年に『鎖国―—日本の悲劇』という本を書いたんです。その中で和辻は、日本があんな戦争を引き起こしたのは、人々が事実に基づかない狂信的な議論に身を任せて、“科学的精神“を失ったからだと言っています。
僕は日本復活の時に向けて、50年、100年後の適切な世論、国家百年の計が形成される確率を上げるために、ポリティカル・コレクトに屈することなく、これからも言論活動を続けていきたいと思います
藤井 聡
京都大学教授/内閣官房参与
日本に求められるのも、大局観と明晰な頭脳、強靭な精神と憂国の念を持ち、この絶望的な状況を完全に理解し、自らはドン・キホーテの如く滅び去ることが分かっていても、日本を救うためにポリティカル・コレクトと闘い続けられるリーダーなんです。もうそれ以外のリーダーは要らないと言ってもいいかもしれません。
プロフィール
大石久和
おおいし・ひさかず――昭和20年兵庫県生まれ。45年京都大学大学院工学研究科修士課程修了。建設省入省。平成11年同省道路局局長。14年国土交通省技監。一般社団法人全日本建設技術協会会長、京都大学大学院経営管理研究部特命教授などを兼務。公益財団法人土木学会第105代会長。専攻は国土学。著書に『「危機感のない日本」の危機』(海竜社)などがある。
藤井 聡
ふじい・さとし――昭和43年奈良県生まれ。京都大学卒業、同大学院修了後、同大学助手、助教授、東京工業大学助教授、教授を経て、平成21年京都大学大学院教授。専門は国土政策、経済政策、防災政策などの公共政策論。24年より内閣官房参与。15年土木学会論文賞、19年文部科学大臣表彰・若手科学者賞、日本学術振興会賞など受賞多数。著書に『「10%消費税」が日本経済を破壊する︱今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を』(晶文社)などがある。
編集後記
財政の悪化、国民の貧困化、インフラ設備の劣化、国際的地位の低下など、まさに亡国の危機に瀕している日本。それを防ぐための国家百年の計を、国土技術研究センター国土政策研究所長の大石久和さんと、京都大学教授で内閣官房参与の藤井聡さんのお二人に緊急提言していただきました。
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