日本の進むべき道 櫻井よしこ(ジャーナリスト) 中西輝政(京都大学名誉教授)

世界はいま大きく揺れ動いている。覇権を争い、対決姿勢を強めるアメリカと中国、ロシアとドイツの蜜月関係、イランへの制裁やサウジアラビアの記者暗殺事件で爆発寸前の中東情勢……。それらの危機を日本はいかに対処し、どのような道を進むべきか。櫻井よしこ氏と中西輝政氏、二人の憂国の論客に語り合っていただいた。

中西輝政

京都大学名誉教授

最近の国際情勢で日本に関係することで言うと、注目すべき出来事が3つあると思います。まずなんと言っても、10月4日にワシントンで行われたアメリカのペンス副大統領の演説ですね。ものすごく厳しく強い語調だったので大変インパクトがありました。
特に、アメリカの国内政策や政治活動に、中国がかつてないほど積極的に秘密工作やプロパガンダを利用して影響力を及ぼし、干渉していると。そうした中国の脅威と米国の対中政策の転換を世界に知らしめた演説でしたよね。

櫻井よしこ

ジャーナリスト

私も2、3回スピーチ文を読みましたけど、中西先生がおっしゃったように、言葉がきつくて、徹頭徹尾、中国批判です。しかもびっくりしたのは、微に入り細を穿ち、「中国がこんな卑怯な手段でアメリカにこういう実害を与えた」と具体例を挙げているんですよね。
この頃、アメリカ国内で急速に、米中は「新冷戦」に入ったと言われ始めています。ペンス副大統領の側近は、「冷戦ではない、冷戦と言わないでくれ」と言って鎮静化を図っていますが、それでも米中対立ムードはかなりきつい。

◎揺れ動くヨーロッパ情勢

◎憲法改正を果たさなければならない理由

◎百年マラソンを走る中国

◎日本人は歴史を学び、
    自信を持つべきである

◎財政再建を乗り切るためにすべきこと

◎サウジアラビア政府に批判的だった
        ジャーナリストの暗殺事件 etc.

プロフィール

櫻井よしこ

さくらい・よしこ――ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務。日本テレビニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリスト。平成19年「国家基本問題研究所」を設立し、理事長に就任。23年日本再生に向けた精力的な言論活動が評価され、第26回正論大賞受賞。24年インターネット配信の「言論テレビ」創設、若い世代への情報発信に取り組む。著書多数。最新刊に『日本の未来』(新潮文庫)がある。

中西輝政

なかにし・てるまさ――昭和22年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、米国スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て、京都大学大学院教授。平成24年退官。専攻は国際政治学、国際関係史、文明史。著書多数。最新刊に『日本人として知っておきたい世界史の教訓』(育鵬社)『明日でもいいことは今日やるな』(海竜社)がある。


編集後記

11月18日に閉幕したAPEC首脳会議で、初めて首脳宣言の採択が見送られました。米中間の対立は深まり、日本を取り巻く国際情勢は混迷を極めています。私たちはいかに時流を掴み、対処していくべきなのか。櫻井よしこさんと中西輝政さん、憂国の論客お二人に、大所高所から日本の進むべき道を探っていただきました。

2018年12月1日 発行/ 1 月号

特集 国家百年の計

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