覚悟からすべては始まる 大久保秀夫(フォーバル会長) 青木仁志(アチーブメント社長)

情報通信業界のリーディングカンパニーとして知られるフォーバル。日本を代表する人材教育コンサルティング企業のアチーブメント。それぞれの会社を創業した大久保秀夫氏と青木仁志氏は15年来の親交があり、お互いに尊敬し合っているという。
共に波瀾万丈な少年時代を過ごし、裸一貫で起業。幾多の試練を乗り越え、今日の発展の基礎を築いてきた。経営者としての覚悟の根底にある思いとは何か。二人のリーダーの体験とそこから掴んだ法則に学ぶ。

覚悟を決めるということは迷いを絶ち切ること。それはそのままその人の強さになる

大久保秀夫
フォーバル会長

〈青木〉
いま衆議院議員の下村博文さん、大久保さんと共に、超党派の国会議員と民間有識者で結成する「教育立国推進協議会」を立ち上げて活動していますけど、大久保さんは他にもたくさんの公務を引き受けられていますね。

〈大久保〉
僕はとにかく縁で動かされるというか、知った以上は無視できなくて、他人事ではなく自分事として捉える性分なんですよ。損するか得するかという利害関係で始めたことはないんですね。やるべきか、やるべきじゃないかということだけです。

で、引き受けた以上は中途半端にはできないじゃないですか。一旦始めたら長く続ける。これも一つの覚悟ですよね。

〈青木〉
途中で投げ出さず、最後まで責任を全うする。

〈大久保〉
企業経営も続けることが大事だと思うんですよ。そうしないと社員やその家族、顧客、取引先、株主、みんなを不幸にしてしまうでしょ。経営を続けるためには利益という手段が必要。儲けることは手段なんですね。

ところが、お金儲けを目的としている会社がある。それは間違いです。

〈青木〉
もう全くそうだと思います。

私はアチーブメントピラミッドという概念を伝えています。人生理念(価値観・哲学・信条・理念)がまず土台にあって、次に人生ビジョン(人物像・ライフデザイン)があって、目標の設定、計画化、一番上に日々の実践がある。この五つの要素に一貫性がある人が尊敬されるのでしょうね。

人生の最期、「おまえ、悔いのない人生を生きたのか」と自分に問いかけて、心から「はい」と言えるような、納得のいく人生を全うしたい

青木仁志
アチーブメント社長

〈大久保〉
僕は人生で一番大事なことって、「あなたと出逢えてよかった」というひと言を家族や友人、社員からもらえることじゃないかと思うんですね。それが一番いいような気がしません?

〈青木〉
本当ですね。「ありがとう」と言ってもらえる人生を全うする。

〈大久保〉
そうそう、それが一番の価値で、自分が生きた存在感じゃないかなと。利他の心がなかったらそれはできません。「あなたと出逢えてよかった」と言ってもらえる生き方をこれからの十年間も続けていきたいと思っています。

〈青木〉
人生の最期、棺桶に入る時に、「おまえ、悔いのない人生を生きたのか」と自分に問いかけて、心から「はい」と言えるような、納得のいく人生を全うしたいですね。

周りの人に喜んでもらえていなかったら、そういう人生は送れない。他の人々の成功や幸せの中に、自らの成功や幸せを見出す。そこが一体になることが究極じゃないかなと思います。

結局のところ、何かをしている時は何かをしていない時で、自分がそれを選択した以上は全責任を持つ。それが覚悟を決めるってことじゃないでしょうか。

〈大久保〉
覚悟を決めるということは迷いを絶ち切ることですよね。この会社に就職しようか、この人と結婚しようか、人生は大なり小なり、迷いの連続です。その時に動じない意志を持って、「よし、決めた!」と迷いを絶ち切ることが覚悟であり、それはそのままその人の強さになるんです。

プロフィール

大久保秀夫

おおくぼ・ひでお―昭和29年東京都生まれ。52年國學院大學卒業後、婦人服メーカー、外資系教材販売会社を経て、55年25歳で新日本工販(現・フォーバル/東証プライム市場上場)設立、社長就任。63年日本最短記録、史上最年少(共に当時)で店頭登録銘柄として株式を公開。平成22年より現職。公益資本主義推進協議会代表理事、東京商工会議所副会頭など、様々な要職も務めている。著書多数。最新刊に『勝ち続ける社長の教科書王道経営8×8×8の法則』(ビジネス社)。

青木仁志

あおき・さとし―昭和30年北海道生まれ。10代からセールスの世界に入り、国際教育企業ブリタニカ、国内の能力開発&人材開発コンサルティング研修企業を経て、62年32歳でアチーブメント設立。平成22年から3年間、法政大学大学院政策創造研究科客員教授として「経営者論特講」の講座を担当。著書は35万部のベストセラーとなった『一生折れない自信のつくり方』シリーズをはじめ62冊ある。最新刊に『経営者は人生理念づくりからはじめなさい』(アチーブメント出版)。


編集後記

共に徒手空拳で創業した会社を一代で優良企業へと導いてきた、フォーバルの大久保秀夫さんとアチーブメントの青木仁志さん。対談取材を通して、お二人の心のベースには「愛」が溢れていると感じました。家族や社員、お客様をはじめ縁ある人たちを幸せにしたいという「利他の精神」が覚悟を本物に昇華させるのかもしれません。

2022年7月1日 発行/ 8 月号

特集 覚悟を決める

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