7 月号ピックアップ記事 /私の座右銘
天網恢恢疎にして漏らさず 中井貫二(千房社長)
1973(昭和48)年、大阪有数の繁華街である難波千日前に、中井政嗣(まさつぐ)氏が徒手空拳で創業したお好み焼き屋「千房(ちぼう)」。現在、国内外に71店舗を構えるグループに成長した同社を4年前に継いだのが三男の中井貫二氏です。
当初、家業を継ぐ気など全くなく、証券会社のトップ営業マンとして活躍していた中井氏が社長業に邁進する理由は何か。座右の銘「天網恢恢疎にして漏らさず」が物語る秘めた思い――。
天網恢恢疎にして漏らさず
(てんもうかいかいそにしてもらさず)
中井貫二
千房社長
8年前、父から突然電話が入りました。後継者として修業していた長兄が病に倒れ、会社を継ぐことができなくなったと。「戻ってきてくれへんか」。それまでの人生に思いを馳せ、「はい、分かりました」と二つ返事で引き受けました。38歳の時です。
幼い頃より、父に懇々と諭されてきたことがあります。「お前、誰のおかげでご飯食べて生きてられるか、分かっとるのか」「俺じゃないぞ。千房の従業員が夜遅くまでお好み焼きを焼いてくれてるからや。感謝しなさい」。
思えば、入社式には必ず参加させられましたし、家族旅行と言えば千房の社員旅行に一緒についていくのが当たり前でした。後を継ぐ考えこそなかったものの、千房の従業員は家族同然、千房は自分にとってなくてはならない存在だったのです。
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プロフィール
中井貫二
なかい・かんじ―昭和51年大阪府生まれ。平成12年慶應義塾大学を卒業後、野村證券に勤務。26年長兄の急逝に伴い千房に入社。30年より現職。
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