「君が代」の心を忘れないでケント・ギルバート（米カリフォルニア州弁護士）白駒妃登美（ことほぎ代表）

日本の国歌である「君が代」。その原歌が千百年前の『古今和歌集』に収録された、愛する人の長寿と幸せを願う歌であることを知る人は少ないだろう。アメリカ人弁護士の立場から日本の素晴らしさを伝え続けるケント・ギルバートさんと、〝博多の歴女〟として活躍する白駒妃登美さんには、「君が代」イコール軍国主義というイメージが日本人に根深く浸透する現状を踏まえて、「君が代」に込められた先人たちの本当の思いを説き明かしていただく。

様々な権力闘争はあっても、皇室の歴史と伝統は連綿として受け継がれてきた。これが日本という国の特徴です。これだけの国は他にないことを日本の皆さんには再度認識していただきたいですね

ケント・ギルバート
米カリフォルニア州弁護士

　日本の「君が代」は歌詞として見ても曲の美しさからしても例外です。その証拠に１９０３年にドイツで行われた「世界国歌コンクール」で一等を受賞していますからね。

違いを論じるから争いが起こり、ひいては戦争になる。しかし、お互いの共通分母を見つければ和を貴ぶことができます。それができるのが日本の国柄だと思うんです。

白駒妃登美
ことほぎ代表

「君が代」の原歌は、「愛するあなた、あなたの命がいつまでもいつまでも長く続きますように。たとえば、小さな石が年月が積もり積もって大きな岩となり、その岩の表面に苔が生えるまで、そのくらいあなたの命が長く続きますように。そしてあなたがずっと幸せでありますように」という「愛の歌」だったんです。

プロフィール

ケント・ギルバート

Kent Sidney Gilbert――1952年アメリカアイダホ州生まれ。1971年ブリガムヤング大学在学中に宣教師として初来日。1980年ブリガムヤング大学大学院を卒業。米国の弁護士資格を取得して、国際法律事務所に就職し、法律コンサルタントとして来日。1983年テレビ番組「世界まるごとHOWマッチ」にレギュラー出演し、人気タレントとなる。現在は在日米国人法律家の視点から日本の政治、文化、歴史問題等について活発な言論活動を展開。著書に『天皇という「世界の奇跡」を持つ日本』（徳間書店）『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』（PHP研究所）など多数。

白駒妃登美

しらこま・ひとみ――昭和３９年埼玉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本航空に入社し、平成４年には宮澤喜一首相訪欧特別便に乗務。２４年に㈱ことほぎを設立、講演活動や著作活動を通じ、日本の歴史や文化の素晴らしさを国内外に向けて広く発信している。天皇陛下（現在の上皇陛下）御即位三十年奉祝委員会・奉祝委員、天皇陛下御即位奉祝委員会・奉祝委員を歴任。現在、教育立国推進協議会のメンバーとして活動中。著書に『子どもの心に光を灯す日本の偉人の物語』『親子で読み継ぐ万葉集』（共に致知出版社）など多数。昨年「君が代」をテーマにした絵本『ちよにやちよに』（文屋）を刊行。

編集後記

米国人弁護士ケント・ギルバートさんと〝博多の歴女〟として活躍中の白駒妃登美さんに、「君が代」に込められた先人の思いについてご対談いただきました。「君が代」の原歌が、愛する人の長寿と幸せを祈る「愛の歌」だったことに日本人の感性の豊かさを感じずにはいられません。