データが教える日本の危機 月尾嘉男(東京大学名誉教授)

戦後の高度経済成長時代には、世界から〝ジャパン・アズ・ナンバーワン〟と称された日本。しかしいまやその輝きは見る影もなく、実質はアジアの後進国になりつつある。そう警鐘を鳴らすのは月尾嘉男・東京大学名誉教授である。
政治、経済、歴史、文化、最先端技術まで様々な分野に深い知見を持つ月尾氏に、データが浮き彫りにする我が国の危機的現状、そして再び輝く国に復活するための針路を示していただいた。

大切なのは何を措いてもこの国を救いたいという志、日本人としての〝名誉〟を重んじる心です

月尾嘉男
東京大学名誉教授

 大切なのは何を措いてもこの国を救いたいという志、日本人としての〝名誉〟を重んじる心です。明治維新が成し遂げられたのも「自分が頑張らなければ日本は西洋に負けてしまう」という思いを持った若き志士たちが日本中にいたからに他なりません。

 明治元年で桂太郎21歳、伊藤博文27歳、大隈重信30歳、板垣退助31歳、福沢諭吉34歳など、ほんの一部ですが、このように二十代や三十代の青年たちが中心となって日本を変えていったのです。

 他国に打ち勝つのではなく、日本の危機にこれでいいのかと奮い立ち、名誉を取り戻そうと努力する心―この滾るような思いが日本人一人ひとりの根底にない限り、日本復活への道は開けないのです。

プロフィール

月尾嘉男

つきお・よしお―昭和17年愛知県生まれ。40年東京大学工学部卒業。46年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。53年工学博士(東京大学)。都市システム研究所所長、名古屋大学教授、東京大学教授などを経て平成15年東京大学名誉教授。その間、総務省総務審議官を務める。著書に『日本が世界地図から消滅しないための戦略』(致知出版社)など。


編集後記

東京大学名誉教授・月尾嘉男さんが列挙する日本の危機的現状に唖然とする他ありません。しかし取材後、いまを生きる若い世代が目覚め、我が国独自の魅力を以て再興してほしいとのエールを頂戴し、勇気が湧いてきました。

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